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悠久の大河が迎える贅沢なクルーズ 

場所
悠久の大河が迎える贅沢なクルーズ 

船首の展望デッキでは、ドリンクを楽しみながらゆったりと三峡の絶景を満喫

世界的な評価の高いクルーズ船

大陸を東西に貫く大河・長江(揚子江)。その悠々たる水面を、豪華な客船に揺られながら辿るリバークルーズは、中国では広く親しまれる旅のスタイルの一つである。中でも、上海と重慶を結ぶ11泊12日のロングクルーズは壮大で、走行距離は約2300㌔。日本では青森市-鹿児島市間が約2100㌔で、それより長い距離を12日かけて旅するのだ。

長江で唯一のロングクルーズを運航するのは、中国観光船業界で初めて上場を果たした「センチュリークルーズ社」。設計から造船、運航までを一貫して手がける。北米の観光業界誌「Travel Weekly」で、優れたリバークルーズ船に贈られる「マゼラン賞」を受賞するなど、世界的にも高い評価を得ている。

上海-重慶間で運航している「センチュリー・レジェンド号」
上海-重慶間で運航している「センチュリー・レジェンド号」

日本人好みの快適な設備

所有する7隻のうち、ロングコースに使われるのは最新鋭のセンチュリー・レジェンド号だ。ハイブリッド動力のため揺れが少なく、乗客は動いている感覚がない。全199室に専用バルコニーが付き、日本人旅行者のニーズに応え全室にバスタブを完備しているのも大きな魅力だ。

船室は4タイプあり、すべてバルコニー付き。写真はエグゼクティブスイート
船室は4タイプあり、すべてバルコニー付き。写真はエグゼクティブスイート
客室には日本人仕様のバスタブがあり快適だ。写真は一般的なエグゼクティブスイート
客室には日本人仕様のバスタブがあり快適だ。写真は一般的なエグゼクティブスイート

最上の居心地とサービス

船内は地下1階から6階までの7層構造。主要フロア間にエレベーターが完備され、移動は快適でスムーズ。屋内プールやシアター、スパなどもある。食事はフロア別に2か所のレストランで提供するなど、ゲストが快適に過ごせるよう配慮は徹底。まるで“動く高級ホテル”のようなラグジュアリーな空間に加え、スタッフの細やかな心配りに、船内に住みたくなるほどの居心地の良さを感じる。

吹き抜けで開放的な船内ロビー
吹き抜けで開放的な船内ロビー

上陸観光を楽しみながら航行

リバークルーズの起点は、中国が誇る大都市・上海から。近代的な高層ビルが立ち並ぶ風景と、往年の欧風建築が並ぶ景観とのコントラストが美しい黄浦江の船着場より乗船する。夕食まで客室でくつろいでいると、いつの間にか出航。それだけ揺れないことに驚かされる。

上海を旅立った船は、南京、九江、武漢、岳陽、荊州、宜昌、豊都など、長江流域に点在する都市や港町を巡り、終着の重慶を目指す。

途中の寄港地で、乗客は地元ガイドの案内で上陸観光を楽しむ。古都の歴史に触れたり、三国志ゆかりの史跡を歩いたりしながら、地元の人々との触れ合いを満喫する。

三国志ゆかりの名所「白帝城」にも上陸観光
三国志ゆかりの名所「白帝城」にも上陸観光

豪華な中国料理でおもてなし

船内での食事もまた、クルーズの大きな楽しみの一つだ。朝・昼・晩のビュッフェ料理では毎日異なるメニューが提供され、寄港地にちなんだ郷土料理もふんだんに登場する。上海の海鮮や、四川風のピリ辛メニュー、長江流域の淡水魚を使った一品など、乗船期間を通じて「中国フルコース」を味わえる演出のようだ。

リバービューを楽しみながら豪華なビュッフェ料理を
リバービューを楽しみながら豪華なビュッフェ料理を
バラエティーに富むスイーツの数々
バラエティーに富むスイーツの数々

左党にうれしいサービスも

乗船中、ソフトドリンクやアルコール類がフリードリンクなのも気楽でいい。船内ではスタッフによるショーや太極拳の体験など、多彩なプログラムが用意され、客室で落ち着いている暇がないほどだ。

バーではカクテルなども自由に注文できる
バーではカクテルなども自由に注文できる

3泊4日のショートコースも

旅のハイライトはなんといっても三国志で重要な舞台の一つである「三峡」だ。長江の上流、宜昌-重慶間に広がる三つの峡谷、瞿塘峡(くとうきょう)、巫峡(ふきょう)、西陵峡(せいりょうきょう)。その壮麗な景観は古くから詩歌や絵画に描かれ、中国随一の景勝地を誇る。断崖絶壁が続く水墨画のような景色の中を、船はゆっくりと進んで行く。

この三峡をメインにした宜昌-重慶間のショートクルーズ(約600㌔)もあり、3泊4日で楽しめる。「いきなり12日間のクルーズはちょっと」という方は、まずショートクルーズに乗船しその魅力を体感するのもいい。

宜昌-重慶間でもう一つのポイントは、世界最大級の水力発電施設「三峡ダム」だ。高さ約185㍍、幅約2300㍍。完成までに17年もの歳月をかけた、中国を代表する国家プロジェクトの象徴である。

船は夜間、このダムを五段階式の閘門を使って水位差を調整しながら通過する。夜の静寂の中、巨大な水門が金属音を響かせながら開閉し、水面とともにゆっくりと船は上昇……その迫力に思わず息をのむ。

世界最大級の三峡ダムも見学
世界最大級の三峡ダムも見学

日本からの旅行者を大歓迎

大都市から歴史遺産、そして牧歌的な山村へ……。リバークルーズではそんな景観を楽しみながら、優雅な時間を過ごすのが目的。単なる移動手段ではない。エンターテイメントを楽しみながら、非日常のひと時を過ごせる至福の場所。これほどまでに優雅な気分で、多面的な中国の魅力を体感できるリバークルーズ。壮大で多彩な風景と文化に出会える水上の旅を、ぜひ一度楽しんでほしい。四季折々に異なる表情で迎えてくれることであろう。

センチュリークルーズ社にて。「日本の方々を歓迎します。長江の文化を楽しんでほしい」と社長の唐剛(タン・ガン)さん(写真中央)
センチュリークルーズ社にて。「日本の方々を歓迎します。長江の文化を楽しんでほしい」と社長の唐剛(タン・ガン)さん(写真中央)

<問い合わせ> 

センチュリークルーズjp@centurytrip.com

公式サイトは、こちら      

※読売旅行では、センチュリークルーズを楽しめるツアーを用意しています。

ツアーの詳細は、こちら  

(WEB掲載:2025年6月20日)

Writer

松田秀雄 さん

全国を取材で巡ること約30年。得意なテーマは「温泉」で、北海道・稚内温泉から沖縄・西表島温泉まで500湯・2000軒以上は訪れている。特に泉質は硫黄泉が好きで、湯上りに体を拭かず自然乾燥させるのがモットー。帰宅後、体に付着した硫黄成分が湯船に染み出して白濁する様子を見るのが好き。最近は飲泉への興味が強く、「焼酎割に適した温泉は?」を掲げて最高の一杯を探し中。旅行読売出版社・編集部に所属。

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