五感で楽しむ「発酵県・ちば」
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生きた水久留里 酒ミュージアムでは「かずさ八蔵」の銘酒を楽しめる
しょう油やみりんの生産量は全国一
千葉県は、日本を代表する発酵食品大国だ。しょう油やみりんの生産量は全国トップを誇り、日本酒、みそ、漬物といった発酵食品も古くから盛んに作られてきた。近年、こうした豊かな発酵文化の土壌を受け継ぎ、県内ではチーズやワインなど新たな発酵食品作りに挑む生産者も増えている。
発酵とは、酵母や乳酸菌、カビといった微生物の働きによって、食品のうまみや香りが大きく引き出される現象だ。保存性や栄養価を高めるこの技法は、古来より日本の食文化を支える重要な柱となってきた。
食に限らず、藍染めも発酵の力を借りる伝統技術だ。千葉県立房総のむらなどでは、藍染め体験を通じて発酵文化に触れられる。
黒潮にのって技術も伝来
千葉県の発酵文化を語るうえで欠かせないのが、房総の海を流れる黒潮の存在である。この海流は、いわば「食文化の道」だった。かつて紀州などから黒潮に乗って渡ってきた人々が、みそやしょう油、カツオ節の製造技術を房総へともたらした。この技術は、豊かな農産物や新鮮な魚介類と結びつき、発展を遂げた。巨大消費地・江戸に隣接するという地の利を生かし、千葉県の発酵文化は江戸時代に大きく花開いた。
発酵食品の魅力で近年注目を集めているのが、健康や美容への効果だ。発酵の過程で、食材本来の栄養素は体に吸収されやすい形へと分解され、うまみ成分であるアミノ酸も豊富に生成される。腸内環境を整える善玉菌は免疫力を高め、体の内側から健やかさと美しさを引き出してくれる。「発酵県・ちば」では、各地でそんな微生物の力が詰まった品々と出合える。
微生物たちの産物に出会う旅へ
千葉県には世界屈指のバイオ技術を持つ研究機関や企業が集積し、発酵の力を応用した「バイオものづくり」も加速している。次世代エタノール生産や廃棄物の分解など、微生物の力を活用した新技術は医薬品や燃料分野での期待も大きい。
千葉県だからこそ気軽に楽しめる「発酵の旅」。微生物たちが醸(かも)し出す奥深い世界を、観光を楽しみながら体感してみませんか。

調味料も発酵料理も充実
道の駅 発酵の里こうざき 神崎(こうざき)町
発酵文化をコンセプトにした全国唯一の道の駅。全国各地から集められたしょう油やみそ、みりん、日本酒、漬物などの発酵食品が600点以上そろう。うち200点余が千葉県産だ。菌の学名から名前を取った「レストランオリゼ」では発酵料理が充実。神崎産のみそとしょう油糀のソースのうまみがたっぷりの豚肉のみそ糀焼き定食(1200円)は絶品だ。ホッケ塩糀焼き定食(1200円)、国際地鶏の塩糀焼き定食(1200円)などもおすすめ。
オール千葉県産のワインへ
銚子葡萄(ぶどう)酒醸造所 座(ざ)古(こ)萬蔵(まんぞう)商店 銚子市
漁業の街・銚子で、長年食品原材料を扱う丸徳商事の4代目、坐古拓也さんが開いたワイナリー。ナシのような芳醇な香りの「KISSAKI2024/白シャルドネ」(3960円)、魚料理にぴったりな味わいの「漁師は歌う2025/ソーヴィニヨンブラン」(3190円)など6種〜8種を製造、販売する。昨年からブドウ栽培にも着手し、オール千葉県産を目指す。併設の「角打ち萬蔵」では、銚子産の食材料理をワインとともに楽しめる。
かずさ八蔵の銘酒を飲み比べ
生きた水久留里 酒ミュージアム 君津市
千葉県内最古、400年もの歴史を刻む吉崎酒造をはじめ、富津・君津エリアには八つの酒蔵があり「かずさ八蔵」と呼ばれている。環境省「平成の名水百選」に選ばれた名水の里が誇る、これら八つの蔵が醸(かも)す銘酒を一堂に集めたミュージアムだ。館内では、ずらりと並ぶ各蔵の酒瓶が迎えてくれる。おちょこ一杯200円で、19種の酒から好きなものを選んで試飲できる。三杯飲むと、久留里の名水ペットボトル1本をプレゼント。
しょう油について学ぶ&体験
ヤマサ醤(しょう)油 工場見学センター 銚子市
創業380年以上を誇る、日本を代表するしょう油メーカー・ヤマサ醤油の工場を見学できる施設。しょう油ができるまでの製造工程を映像や展示で体感できる。売店もあり、「普通のしょう油(特級しょう油)の1.5倍以上のうまみがある限定品『ソヤノワール』(799円)がおすすめ」とスタッフの加瀬さん。しょうゆソフトクリーム(400円)も人気だ。前掛けバッグ(4370円)や、しょうゆストラップ(350円)などオリジナルアイテムも多い。
みそ作り体験や工場見学も
小川屋味噌(みそ)店 東金市
鎌倉時代に宋(そう)の国より伝わったとされる金山寺みそ。麦麹を発酵熟成して作られる風味豊かなこのみその伝統を受け継ぐのが、1848年(嘉永元年)創業の同店。長期熟成で、ていねいに作る金山寺みそが評判だ。麹の力によって生み出された豊かな味わいを伝えていこうと、みそづくり教室を開催し、工場見学も積極的に受け入れている。その技術を生かし、米麹をていねいに仕込んだ甘酒(810円)は、優しい甘さで人気が高い。
白みりんに関して体験学習
流山市白みりんミュージアム 流山市
2025年3月にオープンした白みりんをテーマにした体験型ミュージアム。千葉県はみりん生産量が全国シェア約40%を占め、流山市は白みりん発祥地だ。館内では白みりんに関する歴史や醸造・発酵などに関し、ジオラマやシアターで紹介。館内キッチンでは、みりんを使った調理体験(550円)を1日4回行っている。売店では流山白味淋やみりんを使った商品、特産品を販売。煮切りみりんを20%配合した白みりんソフトクリーム(580円)もおすすめ。
放牧風景を眺めながら乳製品を
高秀(たかひで)牧場ミルク工房 いすみ市
約200頭の乳牛を飼育する高秀牧場が、2012年からチーズ作りを開始。乳酸菌や酵母と会話すように作るチーズは、フランスの国際チーズコンクールでスーパーゴールドを受賞するなど評価が高い。ミルクたっぷりのジェラート(300円〜)、できたてチーズ(モッツアレラ600円、いすみの白い月780円など)、チーズたっぷりのピザ(1500円~)を味わえる。4種のチーズがのったクワトロフォルマッジ(1800円)は特におすすめだ。
参拝土産に人気の鉄砲漬
沢田漬物 成田山表参道店 成田市
千葉県産の野菜にこだわる漬物屋で、機械に頼らず手作業で作るのが特徴だ。乳酸発酵のうまみが魅力の漬物の中で、成田山新勝寺参詣の土産として親しまれる「鉄砲漬」(700円)が人気。塩漬け発酵した白うりを塩抜きし、シソを巻いた青唐辛子を詰めるという、職人の手仕事が光る。天然醸造のしょう油を使った秘伝のタレで漬け込んだうりは、深い琥珀色に輝く。ピリッとした刺激とパリパリと軽快な食感は、ごはんのお供を超え主役級の存在感。
上品で深みのあるカツオ節
永井商店 鴨川市
創業100年を超える歴史を刻む、カツオ節一筋の老舗。手間と時間を惜しまず作られた削り節の評価は高く、全国各地のそば店やラーメン店、日本料理店からの信頼が厚い。近隣のカツオ節職人たちと協力し、地元の勝浦漁港などで水揚げされる鮮魚を使い、伝統の「蔵付きのカビ」によってじっくりと熟成させる。房州産本枯節の「食べるかつお(630円)」、「食べるさば(624円)」は、上品な味わいながら驚くほど深みのある逸品だ。
<問い合わせ>
千葉県観光物産協会:TEL:043-225-9170
公式サイトは、こちら
道の駅 発酵の里こうざき:9時~18時(店舗によって変動)/無休/TEL0478-70-1711
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銚子葡萄酒醸造所 座古萬蔵商店:16時〜20時/日曜~木曜休/TEL0479-22-2861
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生きた水久留里 酒ミュージアム:10時30分~16時(試飲・販売は~15時)/月曜休(祝日の場合は翌日休)/TEL0439-27-2875
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ヤマサ醤油 工場見学センター:日曜休、年末年始休(夏季休業日あり)/9時~16時(売店。工場見学は要予約)/TEL0479-22-9809
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小川屋味噌(みそ)店:9時〜17時/土・日曜、祝日休/TEL0475-52-3419(体験教室・工場見学は要予約)
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流山市白みりんミュージアム:9時~17時/月曜休(祝日の場合は翌日休)、年末年始休/有料展示エリア300円/TEL:050-1724-3926
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高秀牧場ミルク工房:10時~16時/木曜休/TEL0470-62-6669
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沢田漬物 成田山表参道店:9時~16時/水曜休/TEL0476-85-7755
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永井商店:8時30分~17時/日曜、祝日休/TEL04-7092-0057
公式サイトは、こちら
<Web掲載:2026年2月24日>

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