北川温泉 月と太陽が魅せる絶景を客室露天風呂で観賞(1)
客室露天風呂で優雅なひと時を
デッキチェアに身をまかせ
伊豆半島東海岸の中ほどに湧く北川温泉は、海岸沿いに6軒の宿が立つこぢんまりとした温泉地。いずれの宿も大島を正面に望むオーシャンビューが魅力の湯どころである。
訪れた「月と太陽の宿 北川温泉ホテル」は、屋上にある露天風呂「空中湯(ゆう)園(えん)」が評判。地上35㍍の高さから海を一望でき、天候や月齢によっては日の出、月の出も見られる。この空中湯園の真下が展望大浴場、さらにその真下にあるのが露天風呂付き客室だ。
つまり、客室からの眺望もすばらしいということ。本館10階の客室に通され、真っ先にバルコニーへ。
温泉の満ちた湯船とデッキチェアの向こうに、青い海と空が広がっている。温泉に手をひたしつつ、しばらくデッキチェアに身をあずけて景色を楽しむことにした。
「リピーターはかなり多くいらっしゃいますね。北川温泉には何もない。それがいいんです」と営業支配人の浅田博之さんは笑う。
好きな時に客室露天へ
露天風呂につかってみると、余計なものがないからこそ、海の存在感は絶大。時間帯により月や朝日が趣を添える。このすべてを客室で味わえるぜいたく!全26室のうち露天風呂付き客室は2室。12・5畳と15畳の2タイプで、4人まで泊まれる。
「どちらも幅広い層に人気で、昨日は高齢のお母様と娘さんが泊まられました。今日は家族連れのご利用があります」と浅田さんが教えてくれた。
客室にある露天風呂なので、気兼ねなく好きなだけ、かけ流しの湯につかれるのがいい。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、体の芯までポカポカ。到着して、夕食前、就寝前、目覚めてすぐと、いつでも入れる。そのうえ湯船の脇にはシャワー付きの洗い場もあって、体だけ大浴場へ洗いに行く必要もない。
文/内山沙希子 写真/齋藤雄輝