【旅する喫茶店】茶寮 つぼ市製茶本舗 堺本館(大阪)
俗世にいながら山奥のような静寂を心に持つ侘(わ)び茶の精神「市中の山居」が息づく店内
町屋を改装した日本茶専門店のカフェ
茶道千家の始祖、千利休(せんのりきゅう)が生まれた堺市に、1850年創業の日本茶専門店が営むカフェ兼ショップがある。江戸時代から16代続いた仕出し店の町屋が空き家となり、取り壊されるところを、買い取って改装。2013年にオープンさせた。店内は日本茶の香りが心地よく、高い天井や窓越しに望む坪庭、堺の職人が仕上げた緑がかった灰色「利休鼠(ねずみ)」の漆喰(しっくい)の壁が目を引く。
お茶は品質の高さにこだわっている。「茶鑑定士有段者・経験10年以上の社員が全国の産地を巡って買い付け、熟練職人が後火仕上げで焙煎(ばいせん)。合組(ごうぐみ<ブレンド>)は数万通りから検討し、味わいを守っています」と店長の三宅茉里奈さん。
日本茶インストラクターが14人在籍し、おいしいお茶を淹(い)れるのはもちろん、店内で毎週木・金曜に開催する日本茶セミナー(昼食・土産付き)も好評だという。
メニューは煎茶やほうじ茶、抹茶ラテなど18種のお茶をはじめ、主役のお茶の味わいを引き立てる和菓子やあんみつ、かき氷などのスイーツが充実。お茶料理と茶粥(ちゃがゆ)のセットもある。一番人気の特選抹茶パフェは甘さが控えめで、上品な後口に思わずうなった。セットの抹茶「堺の昔」の熟成された濃厚さも際立ち、堺の茶文化の奥深さが伝わってくる。
帰り際にショップへ。堺土産に茶葉を数種、購入した。

大阪と和歌山を結ぶ紀州街道沿いに立つ

特選抹茶パフェ2200円(お茶付き)。パフェは、ほうじ茶や季節限定商品もある
文・写真/児島奈美
大阪府堺市堺区九間町東1丁1-2
TEL:072-227-7809
営業:11 時~ 17 時30 分(ショップは10 時30 分~ 18 時)/火曜休(祝日の場合は営業)、年末年始休
交通:阪堺電車阪堺線神明町停留場からすぐ
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2026年1月号)
(Web掲載:2026年2月12日)


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