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遺跡や教会に秘められたブルガリアの歴史①

場所
> ソフィア
遺跡や教会に秘められたブルガリアの歴史①

1983年に世界遺産に登録されたリラ修道院はブルガリア正教会のシンボル。1833年の大火でほとんどの建物が焼失したが、その後に再建された

新旧が融合した歴史の街

ブルガリアの首都ソフィアは、古代遺跡とモダンな建物が混在する街。メインストリートを歩けば、カフェやレストラン、ファッションの店が立ち並び、都会的な雰囲気が漂っている。

一方、街中の遺跡に身を置くと一瞬でタイムスリップし、時代は遥か遠い昔へ。住宅だけでなく、商業施設や公衆浴場もあったという古代都市である。

そんな新旧が融合し不思議な魅力を放つソフィアの住人にとって、遺跡は身近な存在だ。

生活の移動手段である地下鉄のセルディカⅡ駅の改札付近や、駅周辺にも4世紀~6世紀頃の古代都市「セルディカの遺跡」が広がっている。地下鉄工事で偶然発見されたもので、遺跡が見つかるたびに工事が一時中止となるから大変だという。

地下鉄のセルディカⅡ駅を出ると広がっているセルディカの遺跡
地下鉄のセルディカⅡ駅を出ると広がっているセルディカの遺跡

真っ暗闇の地下教会

地下鉄につながる広場には、半地下の一風変わった教会が立っている。オスマン帝国支配の時代に建てられた聖ペトカ地下教会だ。モスクより高さのある建物は建設が禁じられていたため、こぢんまりとしている。入り口は地階にあり、スタッフの女性が「見学できるわよ」というので、その場に居合わせた旅行者グループと一緒に中に入った。

スタッフが明かりをつけてくれたので、皆で階段を上って行く。16世紀の壁画が残る教会内にはイコン(聖像画)が飾られ、その美しさに見とれてしまう。じっくり見ていたら、一緒に入ったグループは皆、先に出て行ってしまい、急に明かりが消えた。窓がなく一筋の光も差し込まないまったくの暗闇。大声で「まだここにいます!」と何度叫んでも明かりはつかない。手探りで壁をつたって階段を下り、なんとか教会の外へ脱出できた。

文・写真/石口早苗

駅の広場に立つ聖ペトカ地下教会
駅の広場に立つ聖ペトカ地下教会
街を見守る女神ソフィア像。首都名にもなっているソフィアは“英知”という意味があるという
街を見守る女神ソフィア像。首都名にもなっているソフィアは“英知”という意味があるという

問い合わせ

駐日ブルガリア共和国大使館

https://www.mfa.bg/ja/embassies/japan

 (出典 「旅行読売」2020年5月号)

(ウェブ掲載 2020年4月30日)

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Writer

石口早苗 さん