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祝!指定 日本酒「GI南会津」 美酒、食、絶景に癒やされる南会津町(1)

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> 南会津町
祝!指定 日本酒「GI南会津」 美酒、食、絶景に癒やされる南会津町(1)

GI指定を受けた南会津町の日本酒7銘柄。(左から)「國権 特別純米酒」「國権 山廃純米吟醸酒 福乃香」国権酒造/TEL:0241-62-0036、「山の井60」「純米酒 会津」会津酒造/TEL:0241-62-0012、「ロ万 純米大吟醸酒 原酒一回火入れ」花泉酒造/TEL:0241-73-2029、「開当男山 特別純米酒 夢の香」「南山純米吟醸」開当男山酒造/TEL:0241-62-0023

 

日本酒や温泉好きの間で知られる福島県南会津町。清酒として福島県初となるGI(ジーアイ<地理的表示>)指定を受けた。「南会津」ブランドの日本酒と滋味豊かな食を探しに旅に出よう。

町公式キャラクター「んだべぇ」

お酒のGIとは🍶

地理的表示(Geographical Indication)のこと。酒類のGI指定は国税庁が行う。指定によって地域の知的財産や名称を国内外から保護できる。その地域が生産地であることや、一定の基準を満たしていることが条件で、これによって“見える化”され、消費者は正しく商品を選べる。

山々から湧き出る清らかな南会津町の水

福島県の南西部に位置する南会津町は、森林が約92%を占める自然豊かな地。旅の拠点となる会津田島駅を降りると、街の四方に山が連なり、胸をすくような風景が広がる。その山々から湧き出る清らかな水は河川や地下水となり、大地を潤す。

江戸時代には幕府が管理する「南山御蔵入領(みなみやまおくらいりりょう)」になり、自然的要因と相まって酒造りが始まったといわれる。現在、南会津町の四つの酒蔵が個性あふれる地酒を醸しているがそのうちの7銘柄が厳しい審査基準をクリアし、2024年8月にGIの指定を受け、話題を集めている。

南会津地域では江戸中期から酒造りが行われていたという  写真提供:南会津町

4蔵で構成する「地理的表示南会津管理協議会」会長を務める国権酒造の細井信浩社長は、「GI表示には地域の知的財産を守る一方、消費者の方に生産地域の環境や米、水の良さを示すことになり、南会津町を知ってもらう絶好の機会になります」と笑顔で話す。

「南会津町を訪れて、ここで育った米と麹、地下水で仕込んだ酒とこの土地の料理を味わってください」と細井社長

豪雪地帯である南会津町は阿賀川と伊南川の上流に位置し、豊富な雪解け水はミネラル分の少ない軟水。その軟水を仕込み水に使うと、酵母の発酵が緩やかに進み、口当たりが柔らかく、上品な甘みの酒ができる。

純米酒は概ね、米本来の甘みと、酵母の特徴であるフルーティーさが引き立てられ、後味がすっきりしているのが特徴だ。純米大吟醸酒や純米吟醸酒は、口の中で上品な甘みが広がり、加えてリンゴやメロンのような果実味を感じさせる。

会津田島駅の待合室には、町内4蔵の酒が試飲できる自動販売機がある。1杯200円。銘柄は定期的に変わり、列車の待ち時間に飲み比べを楽しみたい

郷土の味と調和する南会津の酒

南会津町には、古来、塩蔵品や乾物による食文化が根付いている。地元の〝かあちゃん〟達で構成される「NPO法人はいっと」は郷土の味を保存、伝承するために、会津田島祇園会館の食事処で郷土料理を提供している。代表的な「にしんの山椒漬け」や「棒鱈煮(ぼうだらに) 」は、しっかりとした濃いめの味付け。そこに口当たりのやさしい南会津の酒を含むと、不思議なほど舌の上で馴染む。

竹のすだれに包んで塩ゆでした「つと豆腐」や山の幸を、貝柱と煮干しの出汁で煮込んだ「つゆじ」(写真左下)など、郷土の味を提供。町内4蔵の飲み比べセット440円~も楽しみ

前出の細井社長は「ブランド野菜『会津田島アスパラ』の天ぷらや煮びたしも、酸味、苦み、油が調和して南会津の酒と合うんです」と特産品と地酒の相性の良さを説く。

旅の一夜に、ゆっくりと酒を酌み交わすのもいい。標高約500メートルにある温泉宿「星の郷ホテル」では、旬の地元食材を使った料理と4蔵の酒を味わうことができる。酒よし、食よし、景色よし。素朴であったかな南会津町を思い思いに巡ってみよう。

丁寧に調理される夕食は前菜からデザートまで、頃合いを見て一品一品提供
星の郷ホテルの町内4蔵の飲み比べセット1600円。好みの酒を探してみよう

NPO法人はいっと

南会津伝承の味を守るかあちゃんの郷土料理と地酒

会津田島祇園会館内の食事処では、はいっとの“かあちゃん”達が手作りする「里山バイキング」990円が好評。郷土料理の「つゆじ」「にしんの山椒漬け」は3日前、「棒鱈煮」は1週間前までに要予約。11時30分14時(料理がなくなり次第終了)

南会津の味を受け継ぐ「はいっと」のみなさん
秋は米を団子状にして、じゅうねん(えごま)味噌を塗って焼く「しんごろう」も提供(要予約)
会津田島祇園会館/日本三大祇園祭のひとつ、「会津田島祇園祭」の屋台や、同祭の供え物を運ぶ「七行器(ななほかい)行列」を再現した人形などを展示

■南会津町田島字大坪30-1/TEL0241-62-0703(NPO法人はいっと)/9時~16時30分/11月30日まで無休、12月1日〜22日は火曜休(12月23日以降は冬期休館)/500円

 

会津高原 星の郷ホテル

星降る高原の温泉宿で美酒、美食を堪能する

美しい星空が広がる南郷スキー場の麓にたたずむ温泉宿。天然木を使用した客室やとろりとした質感の温泉で優雅なひと時を。福島産の黒毛和牛やアユ、南郷トマトなどの季節の野菜を使った創作和食コースに定評があり、4蔵の日本酒とともに堪能したい。

晴天の夜はホテル内の「星空広場」で天体観測を
「私も南会津町の日本酒ファンです。魚や肉料理と地酒の組み合わせも堪能してください」と平野裕子支配人
(左)客室は3タイプ。写真は源泉かけ流しの風呂が付いたCタイプ(右)木の香りが清々しい大浴場には、美肌の湯といわれる硫酸塩泉が注がれる

■南会津町界字湯の入278/TEL0241-73-2121/1泊2食1万5850円~

 

祝! 指定 日本酒「GI南会津」美酒、食、絶景に癒やされる南会津町(2)へ続く


【南会津町へのアクセス】
■列車/浅草から東武鉄道直通特急列車「リバティ会津」で約3時間、会津鉄道会津田島駅下車(1日4往復)
■車/東北道西那須野塩原ICから国道400・121号経由約53キロ、または白河ICから国道289・121号経由約48キロ(会津田島駅まで)
■観光の問い合わせ/南会津町観光物産協会TEL:0241-62-3000またはホームページ

協力:南会津町商工観光課

※料金等すべて掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年1月号)
(Web掲載:2024年11月28日)


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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