【旅して開運】成田山新勝寺に参詣し、犬吠埼で日の出を拝む(1)成田・銚子<千葉>
新勝寺のおみくじは100円。大本堂前の御守受場や釈迦堂前の自動販売機で購入できる。「たびよみレポーター」の大原陽子さんも早速、トライ。「うふふ。中吉でした。何だかいいことありそう」と笑顔がはじけた。
年間1000万人超の参拝者を集める「成田山新勝寺」
2025年を迎えるにあたり、少しでも運気を上げたい。「たびよみリポーター」の大原陽子さんが、成田山新勝寺(しんしょうじ)に参拝した。成田駅からにぎやかな参道を歩き、厳(いか)めしい造りの総門をくぐった。仁王門を抜けて石段を上ると、眼前に巨大な大本堂が迫ってきた。本尊の不動明王が祀(まつ)られている大本堂は、高さ32メートル、東西の翼殿を合わせると幅が95メートル。堂内は296畳の広さがあり、一度に約1000人が入れるという。そのスケール感に圧倒される。
まずは、常香炉(じょうこうろ)で穢れを落としてからお参りする。もうもうと立ち上る線香の煙を浴びると身が清まり、健やかになると言われている。参拝者が真剣な表情で頭や体に煙を浴びていた。
成田山は940年、平将門の乱の終息を祈願するため成田を訪れた寛朝(かんちょう)が開山した。江戸時代に庶民の不動信仰が高まり、現在では年間1000万人超の参拝者を集める全国でも屈指の真言宗の寺院だ。成田山は全国71か所の不動尊信仰の別院や分院を持ち、新勝寺は川崎大師、高尾山薬王院と並び、その大本山として知られる。
「今の本堂は1968年の建立。東京五輪や新幹線開業により参拝者が増加し、それまでの本堂(現在の釈迦堂)が手狭になったのです」。そう説明してくれたのは、成田ボランティアガイドの会の三上龍昇さん。約23万平方メートルの広大な境内に38のお堂や塔、門が配置されているが、ご利益はお堂ごとに異なる。
例えば、大本堂の左手に立つ釈迦堂は開運厄除(やくよけ)、醫王殿(いおうでん)は健康長寿、光明堂は良縁成就、出世稲荷は商売繁昌といった具合だ。大本堂はすべてのご利益があるというが、せっかくなので時間の許す限り、なるべく多くのお堂を巡りたい。この日は釈迦堂と出世稲荷にも参拝した。
出世稲荷は江戸時代の宝永年間に佐倉藩主の稲葉正通が寄進した。参道の両脇に立つ赤い幟(のぼり)や紫の幕が鮮やか。社は金と朱色に彩られ、白い狐のお供えが並んでいた。出世稲荷が立つ小高い丘から境内を見渡すと、朝から降っていた雨がやんだこともあり、清々(すがすが)しい気持ちになった。大原さんは「いろいろなお堂を回って、どんなご利益があるか楽しみ。初詣はいつも近所で済ませていますが、成田山にもまた来てみたい」と笑顔で話した。
お参りの後は、ランチまでまだ時間があるので、参道見物だ。表参道の両脇には食べ物や土産物、雑貨など様々な店舗が並び、大勢の参拝者や観光客でにぎわっている。時代を感じさせる古い造りの商店の中から、酒蔵「長命泉」に寄った。江戸末期に創業者が新勝寺を参拝した際、泊まった宿で夢枕に不動明王が現れ、「ここで酒を造りなさい」とのお告げを受けたという。井戸水で酒を仕込んだところ、「病気が治った」「長生きできた」と評判になり、「長命延命霊力の酒」として人気を集めた。
店内にはたくさんの銘柄の日本酒が並び、利き酒コーナーで味見もできる。新勝寺の僧侶が酒蔵を訪れ、おはらいした「御祈祷吟醸シリーズ」が人気だ。日本酒を試飲した大原さんは「普段、あまりお酒は飲まないのですが、飲みやすかったです。ありがたいお酒で福が来ますかね」と喜んだ。副社長の滝澤千香子さんは「店舗を改築してから、若者や外国人のお客様が増えました。お酒が飲めない方にも楽しんでほしいので、いなりずしやミニうな丼なども販売しています」と話していた。
【旅して開運】成田山新勝寺に参詣し、犬吠埼で日の出を拝む(2)成田・銚子<千葉>へ続く
<モデルコース>
➀日目 成田線成田駅
↓(徒歩10分)
成田山新勝寺
↓(徒歩8分)
参道(長命泉、川豊)
↓(徒歩10分)
成田駅
↓(成田線78分、銚子電鉄20分)
犬吠駅
↓(徒歩10分)
犬吠埼ホテル(泊)
②日目 犬吠駅
↓(銚子電鉄12分)
観音駅
↓(徒歩4分)
飯沼観音
↓(徒歩4分)
観音駅
↓(銚子電鉄4分)
銚子駅
成田山新勝寺
【開運厄除、交通安全】
■8時~16時/無休/成田線成田駅から徒歩10分/東関東道成田ICから5.5キロ/成田市成田1/TEL0476-22-2111
※記載内容は掲載時のデータです。
文/山脇幸二 写真/齋藤雄輝 ヘアメイク/依田陽子
(出典:旅行読売2025年1月号)
(Web掲載:2024年12月18日)