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【旅して開運】成田山新勝寺に参詣し、犬吠埼で日の出を拝む(2)成田・銚子<千葉>

場所
> 成田市、銚子市
【旅して開運】成田山新勝寺に参詣し、犬吠埼で日の出を拝む(2)成田・銚子<千葉>

犬吠埼灯台は初日の出の名所としても知られる(写真/ピクスタ)

 

参道名物のうな重でパワーアップ

【旅して開運】成田山新勝寺に参詣し、犬吠埼で日の出を拝む(1)成田・銚子<千葉>から続く

成田山新勝寺の表参道を散策するうちに、おなかが空いてきた。「たびよみリポーター」の大原陽子さんは、昼食をとろうと明治末期創業のうなぎの老舗「川豊(かわとよ)」へ。国の登録有形文化財の木造3階建ての店舗は、以前は旅籠(はたご)宿だったという。堂々とした風格ある店構えが、参道でもひときわ目を引く。うなぎ1匹がまるまるのった「上うな重」は、創業から継ぎ足し続けるうす甘口の秘伝のタレにくぐらせた肉厚のうなぎが独特の照りと香りを放つ。

昼どきはいつも盛況で、整理券を受け取り、順番に案内される。午前中に様子を見に行った方がよさそうだ。社長の伊藤小澄(こすみ)さんは「成田のうなぎは昔から参拝客や旅人の疲労回復のために振る舞っていたが、縁起のいい食べ物でもあります。うなぎ登りと言いますからね」と笑顔で語った。「おいしいうなぎを食べてパワーアップしました」と大原さん。

表参道を散策する大原さん。「楽し気なお店がたくさんあって、目移りしてしまいます」
うなぎ1匹がまるまるのった川豊の上うな重。ボリュームも満点だ
上うな重を味見する大原さん。「おいしい!ふわっとして軟らかいけど、味はしっかりしています。どんどん食べられちゃいます」
木造3階建ての店舗は国の登録有形文化財。絶好の撮影スポットでもある

川豊
成田山新勝寺の表参道にあるうなぎ専門店。1910年創業。目利きの職人が厳選した良質のうなぎを店内
でさばき、丁寧に焼き上げる。本店のほか、別館、成田空港店も。写真は上うな重3900円。
■10時~17時/無休/成田線成田駅から徒歩10分/東関東道成田ICから5.5キロ/成田市仲町386/TEL0476-22-2711


 

港町・銚子を訪ね、ご来光&開運寺院へ

酒とうなぎで力をつけ、成田線で銚子市へ。銚子電鉄に乗り継ぎ、犬吠埼灯台近くの犬吠埼ホテルに投宿した。客室や露天風呂から太平洋を眺望できる絶景が自慢で、元日は初日の出を拝もうという人に大人気。2024年はすでに大みそかから元日にかけての宿泊予約は満杯だそうだ。

副総支配人の山本烈士(つよし)さんに「天気がいい日はホテルの屋上からも日の出を拝める」と教わり、早起きすることにした。翌朝は暗いうちに起き出して屋上へ。強風に吹かれながら日の出の瞬間をじっと待ったが、雲が垂れ込めるあいにくの空模様。日の出予想時刻の5時52分になっても太陽は姿を現さなかった。大原さんは「日の出は見えませんでしたが、水平線まで見渡せて、きれいでした。早起きは気持ちがいい」と満足そうだった。

緑のトンネルをくぐるようにして走る銚子電鉄。「ジャングルの中を走っているみたいで迫力ありますね」と大原さん
犬吠埼ホテルにチェックイン。ロビーで周辺の観光情報を収集する大原さん。「絶景、町歩き、グルメスポット・・・銚子は楽しそうな所がたくさんありますね」
犬吠埼ホテルの屋上から日の出を拝もうとしたが、あいにくの曇天。水平線の向こうがほんのりオレンジ色に染まっていた

朝風呂でさっぱりして、朝食でおなかを満たすと、気分が前向きに。ホテルをチェックアウトして銚子電鉄に乗り、市中心部の飯沼観音を参拝した。こちらも728年開創と寺歴は古い。本尊の十一面観音を巡る逸話も興味深い。銚子の浦に漁に出た2人の漁師が海中から黄金の光を放つ観音様を引き上げた。その後、2人は出家して庵(いおり)を結び、観音像を安置したという。

潮風を胸いっぱいに吸い込み、観音様に手を合わせると、心がすっと穏やかになった。「朝早いせいか静かでのんびりとお参りできて、とても清々しい気持ちになりました」と大原さん。来年はよい年になりそうな気がしてきた。

飯沼観音の本堂の前には、高さ5.4メートルの大仏と高さ33.55メートルの五重塔が配置されている。毎月8、18、28日と土・日曜日は本堂、五重塔、大仏がライトアップされる

犬吠埼ホテル

太平洋の絶景を満喫できる露天風呂。ナトリウムー塩化物強塩温泉で泉質も優れており、「潮風を感じながらゆったり入れて、上がった後も体がぽかぽかしていました」と大原さん
花柄の浴衣に着替え、客室でくつろぐ大原さん。「浴衣はリラックスできますね。窓の向こうに灯台のあかりが見えます」
リゾートムードが漂う犬吠埼ホテルのエントランス

犬吠埼の海岸沿いに立つ。太平洋の絶景と深さ1300メートルの1億年前の地層から湧き出る「古代の湯」が自慢。料理は銚子漁港であがった新鮮な魚介類や東総ポークなど。
■1泊2食1万6500円~/日帰り入浴1300円/無休/銚子電鉄犬吠駅から徒歩7分/銚子連絡道路横芝光ICから41キロ/銚子市犬吠埼9574-1/TEL0479-22-8111
※公式サイトはこちら

飯沼観音本堂

<モデルコース>

➀日目  成田線成田駅
       ↓(徒歩10分)
        成田山新勝寺
       ↓(徒歩8分)
        参道(長命泉、川豊)
         ↓(徒歩10分)
        成田駅
       ↓(成田線78分、銚子電鉄20分)
        犬吠駅
         ↓(徒歩10分)
        犬吠埼ホテル(泊)

②日目  犬吠駅
         ↓(銚子電鉄12分)
        観音駅
         ↓(徒歩4分)
        飯沼観音
         ↓(徒歩4分)
        観音駅
         ↓(銚子電鉄4分)
        銚子駅


  

飯沼観音
【家内安全、身体健全】
■6時~17時/無休/銚子電鉄観音駅から徒歩4分/銚子連絡道路横芝光ICから40キロ/銚子市馬場町1-1/TEL0479-23-1316

※記載内容は掲載時のデータです。

 

文/山脇幸二 写真/齋藤雄輝 ヘアメイク/依田陽子

 

(出典:旅行読売2025年1月号)
(Web掲載:2024年12月18日)


Writer

山脇幸二 さん

2022年6月に編集部に着任し、8月から編集長。読売新聞の記者時代は27年にわたって運動部でスポーツ取材に明け暮れた。一時は月の半分近くが出張という生活で、旅行しながら仕事しているような状態だった。今やその旅行が仕事になろうとは…。趣味はロック鑑賞で、ライブやフェスに通うことで身も心も若さを保とうと悪あがきする。矢沢永吉さんを尊敬し、ともに歳を重ねていける幸せをかみしめる日々。

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