【東北の春を見つけに】震災遺構を見学し、猫の島で春を感じる みちのく潮風トレイル
石巻南浜津波復興祈念公園内には、震災時に地域の人を励まそうと有志が立てた「がんばろう! 石巻」の看板が残る
1000キロ以上を結ぶ「みちのく潮風トレイル」
みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市蕪島(かぶしま)から福島県相馬市松川浦までの太平洋沿岸を結ぶ1000キロ以上のロングトレイル。今回は宮城県石巻市の田代島・網地島(あじしま)を1日で回るコースに震災遺構を加えたオリジナルコースを歩いた。
仙石線石巻駅を出発。石巻マンガロードを通り、旧北上川に出ると中州に立つ「石ノ森萬画館(まんがかん)」が見えた。マンガ家の石ノ森章太郎は学生時代に石巻市を何度も訪れた縁があり、2001年に街おこしの起爆剤として同館が建設された。東日本大震災で津波被害を受けたが、全国から支援が集まり、1年8か月後に再開。復興のシンボルとなった。

石巻駅ではサイボーグ009のステンドグラスとモニュメントがお出迎え

石ノ森萬画館は2階展示室が有料だが、1階グッズショップ(写真)と3階のライブラリーなどは入館無料 ■9時〜16時30分/火曜(祝日の場合は翌日)休/900円/TEL:0225-96-5055※1月29日〜3月19日はリニューアル工事のため休館
『サイボーグ009』や『仮面ライダー』など石ノ森作品の世界に浸った後は、旧北上川の堰堤(えんてい)を歩いて川下へ。石巻かわみなと大橋をくぐると、田代島・網地島への渡船・網地島ラインの門脇(かどのわき)発着場はすぐ近くだが、その前に「石巻市震災遺構門脇小学校」を訪ねた。門脇小学校の震災被害は、津波に加え、炎上した建物が流されて延焼する津波火災が重なった。3階建ての旧校舎にはその痕跡がまざまざと見られ、言葉を失った。当時、校内にいた児童は早々に校舎裏の日和山(ひよりやま)へ避難。その後、小学校に避難した住民も機転を利かせて無事に脱出した。
「地震による津波や火災の実態を感じていただき、自分の身に起きた際の行動や備えに役立ててほしいです」と、案内してくれた石巻震災伝承の会・石垣武さん。切実な願いがひしひしと伝わってきた。

旧北上川の堰堤には休憩用ベンチが設置され、快適に歩ける

「石巻市震災遺構門脇小学校」を案内してくれた石垣さん■9時〜16時(11〜1月は〜15時30分)/月曜(祝日の場合は翌日)休/600円/TEL:0225-98-8630
門脇発着場から田代島の大泊港へは船で25〜40分。トレイルコースは大泊港から島の西側を回って仁斗田(にとだ)港に出るが、今回は約2時間の滞在なので回り道せずに仁斗田港へ向かった。田代島は〝猫の島〟とも呼ばれ、たくさんの猫が暮らしている。
猫神社を経て、猫グッズの販売やカフェを営む「島のえき」に寄ると、玄関前で20匹ほどの猫がのんびりと日なたぼっこしていた。「生まれてからずっと島民や観光客にかわいがられているので、人懐っこい猫が多いです」と店主の犬塚恵介さん。カメラを向けると2匹の猫が興味津々で近寄ってきた。

田代島への渡船は1日3便。日帰りは中央・門脇発着場12時台出発が最後。往復2500円。TEL:0225-93-6125(網地島ライン)

猫が集まる「島のえき」では、にゃんカレーや焼きそばなどの軽食を提供。■10時15分〜15時/無休
田代島から戻り、最後は日帰り温泉の「元気の湯」で汗を流した。地下700メートルから湧く温泉はさらりとした肌触りで、大人20人が入れる広さのサウナも人気だ。

元気の湯は男女それぞれに17種の浴槽がある
■9時〜22 時(食事は10時〜21時)/無休/1000円/TEL:0225-92-5226
ここにも立ち寄りたい
いしのまき元気市場
1階の市場では石巻や三陸地域の新鮮な魚介類や農産物、水産加工品、地酒など、約1500アイテムを販売。2階の元気食堂では、海鮮丼をはじめ、魚のアラでだしをとった「あら〜麺」や「サバだしラーメン」、重箱からはみ出すビッグサイズの「あなご天重」などが味わえる。
■9時〜19時(食堂は11時〜19時30分、土・日曜は〜20時。※閉店は時期により変動)、不定休/仙石線石巻駅から徒歩12分/石巻市中央2-11-11/TEL:0225-98-5539

商品を購入することが地域の応援につながる

食堂の一番人気は石巻元気御膳1800円。2種の海鮮丼と地魚フライ、刺し身、アラ汁が付く
文・写真/内田 晃
|ツアー情報|
みちのく潮風トレイル
三陸海岸などの美しい景観を堪能できるトレイルコースで、2019年6月に全線開通。公式サイト(こちら)で多彩なモデルコースを紹介。石巻市田代島・網地島コースも掲載されている。公式ハイキングマップブック(全10冊、各1760円)も販売。
👉宮城県など東北旅行・ツアーはこちら
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年3月号)
(Web掲載:2026年2月15日)


Tweet
Share