妙見口駅【能勢電鉄妙見線】
大阪最北にたたずむ終点駅、妙見山の玄関口
阪急電鉄のイメージカラーであるマルーン色(えび茶色)の列車に揺られ、川西能勢口(かわにしのせぐち)駅へ。ここで同じ色の能勢電鉄に乗り換える。列車はどんどん高度を上げ、山間部へ差しかかると、ほどなく大阪府最北の駅である妙見口(みょうけんぐち)駅に到着した。
黒と白を基色とした駅舎はまさにゲートのような形で、中央の改札脇にはギャラリーを兼ねた待合室があり、乗客を迎え入れる。駅前には駅舎改装の際に置き換えられた朱色の丸ポストがあり、古い木造駅舎に彩りを添えている。
駅から徒歩、ケーブルカーとリフトで妙見山へ上る。日蓮宗の寺、能勢妙見山を参拝した帰り、ケーブル山上駅脇の「妙見の森 山上の足湯」につかった。目の前に広がる秋の山並みを眺めていると、空に浮かんでいるような気分で清々(すがすが)しかった。
文・写真/越 信行
能勢電鉄妙見線は1913年に能勢口ー一の鳥居駅間が開業。川西能勢口駅から27分の妙見口駅は1923年開業
(出典「旅行読売」2019年10月号)
(ウェブ掲載 2021年10月31日)
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