JR奈良線で行く 京都伏見・山城鉄道旅(1)
青谷梅林 <山城青谷(やましろあおだに)駅> 広さ(20ヘクタール)収穫量(年間130トン)ともに京都随一の梅林景勝地。肉厚で香り高い固有種「城州白」などを栽培。毎年2月下旬~3月中旬の開花期に「青谷梅林梅まつり」を開催
■城陽市中中山/TEL:0774-56-4029(城陽市観光協会)/山城青谷駅から徒歩20分
京都駅から伏見、宇治を抜け、山城盆地の南部へ。京都と奈良、二つの古都を結ぶJR奈良線。旧東海道線の痕跡と梅、桜、お茶の郷。鉄路の歴史と京都の景色を満喫する旅へ。
路線名に「奈良」とあっても、区間全駅が京都府内に位置するJR奈良線。山城地域の文化と風景を楽しむ鉄道旅に出かけよう。
京都駅から5分で「伏見のおいなりさん」こと伏見稲荷大社最寄の稲荷(いなり)駅へ。駅構内のレンガ造の建物は、旧国鉄最古の遺構「ランプ小屋」だ。1879年の東海道線開通当初、京都駅~大津駅(現・膳所(ぜぜ)駅)間は稲荷山麓を抜ける迂回ルートだった。稲荷駅には駅舎や蒸気機関車、客車の灯具や油類を整備・保管する照明基地が置かれた。1921年、新逢坂山・東山の両トンネルを抜ける現在のルートの東海道線が開通し、京都~稲荷駅間は奈良線となる。ランプを灯した列車が駆け抜けた150年前の光景に、赤レンガ小屋の佇まいから想いを馳せてみる。
稲荷駅ランプ小屋 <稲荷駅>
旧東海道線開通の1879年に開設。約8平方メートルの小屋は頑丈で難燃なレンガ造。現存最古の旧国鉄の建物遺構として準鉄道記念物指定。鉄道標識やランプ類、貴重な鉄道資料を収蔵
■京都市伏見区深草稲荷 稲荷駅構内/※内部非公開

写真提供:JR西日本

写真提供:JR西日本

稲荷駅舎
京都からも奈良からも約20キロの中間地点で、「五里五里(ごりごり)の里」と呼ばれる城陽(じょうよう)市は遺跡の宝庫。5世紀前半築造で⼭城地域最大級の前方後円墳が「久津川車塚(くつかわくるまづか)古墳」だ。線路の敷設で分断された墳丘を列車が疾走するシーンに出合える、密かな鉄道スポットになっている。
久津川車塚古墳 <城陽駅>
「久津川古墳群」で最大の前方後円墳。3段構造の墳丘に二重周濠が巡り総長272メートル。出土した長持形型石棺や三角縁神獣鏡などは重要文化財。国史跡指定
■城陽市平川車塚/城陽駅から徒歩16分

久津川車塚古墳 写真提供:城陽市教育委員会

城陽駅舎
木津川の水と温暖な気候に恵まれた南山城地域は、農作物や花卉(かき)の特産品も豊富だ。「青谷(あおだに)梅林」は京都府下最大で約1万本を栽培する梅の郷。固有種「城州白(じょうしゅうはく)」は大粒で果肉が厚く、熟すと桃に似た香りを放つ。早春、梅林は梅の花で白一色に染まり、芳醇な香りで包まれる。

青谷梅林最寄りの山城青谷駅
奈良線グルメ情報👂

長期熟成梅酒「城州」(720ミリリットル1650円、右)長期熟成梅酒「城州 Premium」(720ミリリットル2750円)/城陽酒造(TEL:0774-52-0003)
青谷梅林の特産「城州白」の熟した実を使用し3年以上熟成。添加物不使用。すっきりした酸味とまろやかさが調和する深い味わいが好評。
JR奈良線とは
京都駅(京都市)~木津駅(木津川市)間の19駅、約35キロの路線。1895年に奈良鉄道として開業。関西鉄道に譲渡後1907年に国有化。東福寺、伏見稲荷大社、萬福寺、平等院鳳凰堂など、沿線には有名社寺が多い。2023年に一部区間の複線化工事が完了。2026年春のダイヤ改正で稲荷駅が快速停車駅となり利便性がさらに向上する。
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年3月号)
(Web掲載:2026年2月10日)
☛京都府など近畿旅行・ツアーは👉こちら


Tweet
Share