JR奈良線で行く 京都伏見・山城鉄道旅(2)
玉川の桜 <玉水(たまみず)駅> 「平成の名水百選」の天井川「井手の玉川」の堤防両岸1.5キロに約500本のソメイヨシノが咲き乱れる花見の名所。3月下旬~4月上旬に「井手町さくらまつり」を開催
■ 井手町井手/TEL:0774-82-6168(井手町産業環境課)/玉水駅から徒歩3分
京都駅から伏見、宇治を抜け、山城盆地の南部へ。京都と奈良、二つの古都を結ぶJR奈良線。旧東海道線の痕跡と梅、桜、お茶の郷。鉄路の歴史と京都の景色を満喫する旅へ。
梅の次は桜。玉水駅から徒歩で行ける名所が「玉川の桜」。両岸にソメイヨシノが咲き誇る。川面を覆う桜のトンネルは必見だ。

玉水駅舎
棚倉(たなくら)駅で下車し、約1300年の歴史がある「蟹満寺(かにまんじ)」へ。本尊の金銅仏・釈迦如来坐像は白鳳時代の造立。螺髪(らほつ)と白毫(びゃくごう)がない人間らしさと、手にある曼綱相(まんもうそう<水掻き>)による救済の力を併せ持つ。重さ2.2トン高さ2.4メートル。堂々たる姿と端麗な表情の国宝を、間近で拝める。
珍しい寺名は『今昔物語集』が伝える観音信仰の説話「蟹の恩返し」が由来だ。昔、子どもに弄(もてあそ)ばれるカニを助けた娘がいた。娘の父はヘビに飲み込まれそうなカエルを「娘を嫁にやるから」とヘビに約束し助けた。観音様に助けを願うと、数万のカニに挟み切られた大蛇の亡骸を発見し、窮地を救われた、という話だ。
蟹満寺 <棚倉駅>
白鳳時代創建時の寺名・紙幢多(かばた)寺は神仏に供える織物幡に由来。本堂の釈迦如来坐像は美を超越する力感が特徴で白鳳仏の代表作、国宝。4月の「蟹供養放生会」ではサワガニを放流
■木津川市山城町綺田浜36/拝観9時~16時、無休/500円/TEL:0774-86-2577/棚倉駅から徒歩20分

蟹満寺山門

蟹満寺釈迦如来坐像
上狛(かみこま)駅は、木津川や伊勢・伊賀・信楽街道と結ぶ要衝の地でお茶の郷。江戸中期に福井伊右衛門が茶問屋・福寿園を創業した地に、「福寿園山城館」がある。
「石臼抹茶体験」は自ら碾茶(てんちゃ)を挽いて茶を点てる体験プログラム。石臼は反時計回りに、一周3秒ほどのスピードで回す。挽いた抹茶を刷毛で集め、細かく濾した後、茶杓で茶碗に入れ湯を注ぐ。茶筅(せん)は手首を利かし、縦にやさしく素早く。細かな泡が香りを引き立て、苦みのないまろやかな甘みを増す。自由な点前と、至福の一服を満喫したい。
福寿園山城館 <上狛駅>
山城茶と茶問屋の歴史、茶文化を学べる体験施設。抹茶ケーキ「京オペラ抹茶九重」と味わう石臼抹茶体験(2750円)は要予約。玉露の淹れ方、「茶通」菓子作り体験もあり
■木津川市山城町上狛東作り道16/10時~15時30分、月・火曜休/無料(体験は有料)/TEL:☎080-6551-4293/上狛駅から徒歩8分

石臼抹茶体験の様子

石臼の並ぶ館内
奈良線グルメ情報👂

「竹皮包み玉露おにぎり弁当」(1100円)/福寿園山城館内「玉露 茶漬け亭」
玉露の炊き込みご飯と佃煮のおにぎり、茶葉で焼くおかずなどの玉露づくしの弁当。テイクアウト可。

「黄金(おうごん)プリン」(400円)/テオテラスいで(TEL:0774-82-5600)
京都府産の新鮮な牛乳を使い、町のシンボル・山吹の黄金色をイメージ。濃厚なコクとなめらかな食感で「めっ茶」(450円)「チョコ」(430円)も人気。
JR奈良線とは
京都駅(京都市)~木津駅(木津川市)間の19駅、約35キロの路線。1895年に奈良鉄道として開業。関西鉄道に譲渡後1907年に国有化。東福寺、伏見稲荷大社、萬福寺、平等院鳳凰堂など、沿線には有名社寺が多い。2023年に一部区間の複線化工事が完了。2026年春のダイヤ改正で稲荷駅が快速停車駅となり利便性がさらに向上する。
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年3月号)
(Web掲載:2026年2月13日)
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