のんびりクルーズを満喫 バイキング・エデン乗船記(1)
海は広い。ただただぼけ~っと眺める。水平線上の日をバックに水面がす~っと流れていく。なんにもしない緩い時間がたまらない
初体験のクルーズ船 横浜港から出航‼
本格的なクルーズ船に初めて乗った。船はVIKIMG YU DUN(バイキング・エデン)。横浜から寄港地の名古屋、韓国・釜山(プサン)を経て熊本県八代(やつしろ)まで4泊5日の旅を楽しんだ。そう、いろいろ想像と違ったのだが、楽しかった。
夕方出港というので、午後に横浜に到着、受け付けを済ませて乗船すると、スタッフが満面の笑みでおしぼりとシャンパーニュなどの飲み物を手渡してくれる。もう盛り上がってきた!
飲み物を片手にエレベーターに乗り、部屋のある階まで行ってドアを開くと外のデッキに。あらら?よくみると、デッキをつたって部屋に行けると書いてある。一応、船内見取り図を見たが、実際に入ってみると、勝手が違う。特に窓のない内側にいると、どっちに行っていいのか最初は戸惑う。


バイキング・エデンの客室はすべてオーシャン・ビュー。部屋に入ると、奥のバルコニー越しに海が広がる。バルコニーのいすに座って、夕暮れ時の景色を眺めながら飲み物をいただく。船はまだ動いていないのに、すでに気分は別世界だ。




出航後、まもなく夕食へ。初日は予約が取れたイタリアンレストランで、本格的なイタリア料理をワインと一緒に楽しむ。パスタや肉料理を食べながら、グラスが空になりそうなころにすすっとボトルが差し出される。にっこり笑顔で「おすすめです」と言われると断れない(言い訳)。う~ん、ペースを考えなきゃ。
夜は船内をあちこち探検して回った。最上階のデッキから陸の明かりを眺めながら明日から何をしようか、計画を練る。
くつろぎの空間
バイキング・エデンはいわゆるオールインクルーシブで、船内での食事や飲み物(食事時のアルコール類を含む)、ジムやスパなどの施設利用、寄港地でのツアー(一部有料)などが料金に含まれている。部屋にも飲み物やスナックが準備されていて、補充もされる。
追加料金がかかるのは、スパでのトリートメントや食事以外でのアルコール類、船内ショップでの買い物などで、それ以外は乗船中、ほとんどお財布の心配をしなくていいのが気楽だ。
クルーズというと、きらびやかなショーなどのイベントやカジノ、ドレスアップしていただく食事など豪華なイメージがあったのだが、この船ではフォーマルな服装が必要になるようなイベントはない。最高でもエレガントカジュアルでいいという環境で、気を使わなくて良いのがうれしい。
カジュアルな雰囲気ではあるが、乗客は18歳以上限定ということもあり、全体的に落ち着いた感じで、ゆったりとした時間を過ごすことができる。
乗客はマレーシア、台湾などからの人も少なくなかったが、日本発着なこともあり、日本人が多かった。スタッフの多くは外国人だが、日本語が堪能なスタッフが多く、英語など外国語ができなくても困らない。昔、記者としてマニラに駐在していたのだが、フィリピン出身のスタッフと「どこに住んでいた?」「あの店はまだある?」などと現地の話で盛り上がることもあった。
山内得太郎ホテルマネジャーは「クルーも含めてバイキングファミリーとしてやっている。お客様もファミリーの一員として第二の我が家のような気分でくつろいでもらえるよう努めている」と語る。確かにクルーのみなさんはフレンドリーで、細かいところまで対応してくれる。

船内ライフを堪能
横浜の次の寄港地は名古屋。出航2日目の朝に到着する。いつもよりも早く目が覚めて、バルコニーから日の出を楽しむ。海も空も雲も見ていて本当に飽きない。
名古屋では現地ツアーもあったが、船内で過ごすことにした。ビュッフェ形式の朝食をしっかりとった後にジムへ。今日は船内施設をあれこれ試すのだ。
寄港地で降りた人も結構いるのか、ジムはすいていて、速歩に軽い筋トレ、ストレッチをする。久しぶりの運動なので無理せず軽く切り上げる(これは重要)。続いて屋内プールで泳ぎながら体をほぐす。天井はガラス張りで広々と明るい。温かいジェットバスもあり、快適。しばらくするとジムで見かけた女性がプールにやってきたのでつい、にっこり。行動パターンが似ているというだけで親近感がわく。

船にはプールが二つある。プールサイドでアイスカフェラテを飲んで一休みしてから後方のデッキにあるもう一つの屋外プールにも行ってみた。冬場で寒いかと思ったが、天気も良く温水プールは気持ちいい。いわゆるインフィニティプールで、海にそのままつながっているような気分もいい。


午後は念願のスパへ。バイキングはその名の通り、北欧のテイストが各所にみられるが、スパはサウナなども充実している。スチームやドライは体験したことがあるが、ここにはスノー・グロット(雪の洞窟)もある。中には人工雪があり、サウナや大きなジェットバスで温まった後に入ると、全身が冷気で包まれる。寒いが、水風呂とは違って直接の刺激は少ない。かなり好み。

何度かぐるぐる試してすっかり温まってからいよいよマッサージ!ちょっと奮発して、北欧風全身マッサージを予約したのだ(これは有料)。こりが気になる肩から背中にかけてを中心にじっくりほぐしてもらう。「かなり堅くなってますね」。やっぱり。座りっぱなしの時間が多い生活を反省する。気持ちがよくて半分居眠りしながら堪能した。
昼間、ゆったり過ごしたためか、夜は目がさえ気味。ラウンジをうろうろした後、そろそろ関門海峡だな、とデッキに出ると大勢の乗客。皆さん見所はちゃんとチェックしてますね。思ったよりずっと狭い海峡。両岸の町明かりを眺め、関門橋の下をくぐりながら、写真を撮って過ごした。
文・写真/長谷川由紀
のんびりクルーズを満喫 バイキング・エデン乗船記(2)へ続く(2/11公開)
1997年設立。スイス・バーゼルに本社があり、欧州や米国、アフリカなど世界各地でオーシャンクルーズ、リバークルーズ、エクスペディション(探検)クルーズなどを展開している。北欧文化に基づいたデザインや環境、サービスで知られる。2024年11月にバイキング・ジャパンを設立し、日本発着の運航を開始した。
バイキング・エデンはオーシャンクルーズ船で2017年就航。欧州のクルーズや中国発のクルーズなどに続いて日本発着クルーズに導入された。総トン数4万8000トン、全長227メートル、全幅29メートル。乗客定員は930人。全客室数465室。
※記載内容は掲載時のデータです。
(Web掲載:2026年2月10日)


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