※仮タイトル ツアーで巡る、いすみ鉄道と小湊鉄道 鉄印帳の旅(2)
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ツアーで巡る、いすみ鉄道と小湊鉄道 鉄印帳の旅(1)から続く
※リードはいる
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小湊鐵道で房総の秘境へ
上総中野駅は、東側のいすみ鉄道と西側の小湊(こみなと)鐵道の接続駅だ。それぞれ専用ホームがあり、昔ながらの地上通路で結ばれているのが味わい深い。その通路から眺める両鉄道の列車が並ぶシーンは、地方鉄道全盛期の雰囲気が感じられて実に良いものだ。ここで小湊鐵道に乗り換えてさらに西を目指す。
まずは10時33分の列車で隣の養老渓谷駅へ。養老渓谷は房総の秘境といわれる場所で、養老川によって削り取られた渓谷沿いには温泉や美しい滝が点在し、房総を代表する観光スポットにもなっている。その最寄り駅である養老渓谷駅に、列車は10時43分に到着。ここで秘境探訪と昼食を兼ねた約1時間40分の自由散策タイムとなる。
養老渓谷温泉で日帰り入浴を楽しむのも良いが、今回はさらに足を伸ばして、養老の滝とも呼ばれる粟又(あわまた)の滝を目指した。駅前の観光案内所にはレンタサイクルもあるが、滝まで片道約10㌔あり、アップダウンも激しいのでタクシーを使った。粟又の滝の入り口にある秘境の宿滝見苑に約15分で到着。この周辺には食事処もあるので昼食にも不自由しない。ここから滝まで行きは約5分、帰りは急な上り坂となるので15分ほど見ておいたほうが良い。粟又の滝の流れは実に優雅で、周辺の紅葉も進む11月下旬は一年の中で最も美しい時期の一つだろう。
開放感抜群のトロッコ列車で里山の風景を満喫
養老渓谷駅に戻ると、駅で待ち構えているのは小湊鐵道名物の「房総里山トロッコ号」だ。2015年から運転を開始したこの列車は、かつて同社で活躍した小型蒸気機関車を模したディーゼル機関車が、開放感満点の可愛らしい小型客車を牽引する、まるでおとぎの国から飛び出してきたような観光列車だ。今ツアーでは、この列車を始発の養老渓谷駅から終点五井駅までたっぷりと楽しめる。
12時50分に養老渓谷駅を発車。通常の列車では五井駅まで1時間少々の所要時間だが、「房総里山トロッコ号」はたっぷり2時間かけて走る。そのため歩みはスローで、のんびりとした揺れに身を任せてじっくりと風景を楽しめる(今ツアーでは窓無し車両に乗車するので防寒対策を忘れずに)。
小湊鐵道には、沿線風景とともに魅力的な駅が多く、映画やTVドラマに登場することも多い。その代表が上総鶴舞(かずさつるまい)駅で、味わい深い木造駅舎と、ゆるくカーブした広々とした駅構内とのコンビネーションが実に魅力的だ。また飯給(いたぶ)駅は、桜の時期のロケーションが素晴らしく、春には大勢の観光客が訪れる。そして広大な囲いの中にガラス張りのトイレがポツンと置かれた女子トイレも同駅の名物となっている。残念ながら両駅とも通過扱いだが、車内からその様子を楽しんでみてほしい。