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【お得きっぷで夏旅へ】「週末パス」で南東北の新作駅弁めぐり(2)

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  • > 新潟県
【お得きっぷで夏旅へ】「週末パス」で南東北の新作駅弁めぐり(2)

三新軒の「箱入りむすび」900円。鮭の焼き漬けを丹念にほぐしておむすびのようにした

 

越後の豪商豪農の館で米どころの実力を知る

「週末パス」で南東北の新作駅弁めぐり(1)より続く

 

おトクな「週末パス」を使って、山形、福島へ。新作駅弁を訪ねる旅の2日目は、米沢駅から米坂線で坂町駅を経由し新潟駅へ。米坂線も東北屈指のローカル線だ。列車はディーゼルエンジンをうならせ、飯豊(いいで)の山々を遠くに見ながら窓際まで木々が迫る山中に分け入る。

途中、越後下関駅で途中下車。駅から徒歩5分にある渡邉(わたなべ)邸は、3000坪の敷地に、1817年に再建された500坪の母屋、六つの土蔵が残る豪商豪農の館。全盛期には75人の使用人を抱え、約1万俵の小作米を集めたという。

渡邉邸の母屋は、その広さと天井の高さ、太くて長い梁(はり)に驚かされる
枯山水の庭園も見事。それをより美しく見せる建物の意匠にも感服する

新潟のおいしい米を鮭とともに

屋敷の周囲や沿線で輝く水田は、脈々と続く新潟の稲作文化を伝える風景か……。などと考えながら新潟駅へ移動。旅の締めくくりは、そんな新潟の米のうまみをたっぷり味わえる駅弁「鮭の焼漬(やきつけ)弁当」(製造販売・三新軒)。秘伝のタレに半日漬け込んで焼いた鮭は、ご飯のお供にも酒のつまみにもぴったりだ。玉子焼き、コロッケ、スジコ、パイナップル、煮豆、漬物も入っている。

「料理は大量に作って大勢で食べてこそおいしいというのが私の信念。それを駅弁で再現しました」と、社長の遠藤龍司さん。このところ、大勢でにぎやかに食事とはいかないが、宴の席を思い出すような種類豊富なおかずを、一品一品ゆっくりと味わった。

 

文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝

「鮭の焼漬弁当」1200円。鮭は、食べると見た目以上のボリューム感がある

●モデルコース

【1日目】

東京

↓ 9:03発 東北線宇都宮行き

宇都宮

↓ 10:54着/11:07発 東北新幹線仙台行きやまびこ207号

福島

↓ 12:04着/12:14発 奥羽線庭坂行き代行バス

庭坂

↓ 12:45着/12:59発 奥羽線米沢行き

米沢

↓ 13:37着/16:27発 奥羽線山形行き

赤湯

↓ 16:45着/17:05発 山形鉄道フラワー長井線荒砥行き   

長井 17:43着

【2日目】

長井

↓ 10:44発 山形鉄道フラワー長井線赤湯行き

今泉

↓ 10:55着/11:01発 米坂線坂町行き

越後下関

↓ 12:12着/14:35発 米坂線坂町行き

坂町

↓ 14:48着/15:26発 羽越線・白新線長岡行き

新潟 

↓ 16:22着/16:57発 上越新幹線東京行きとき336号

東京 19:00着

※土曜、休日用ダイヤ。

※時刻は2022年5月現在のものです。


週末パス

関東甲信越と南東北のJR線と一部私鉄の普通列車(快速を含む)の普通車自由席が乗り降り自由。利用は2023年3月26日までの土曜、休日のうち連続する2日間(8月10日〜19日、12月28日〜1月6日は利用不可)。別に特急券を買えば、新幹線・特急列車も利用できる。発売は利用開始日1か月前から前日まで。駅レンタカーも特別料金で利用できる。8800円

TEL:050-2016-1600(JR東日本お問い合わせセンター )

※きっぷの内容や本文中の駅弁の料金は掲載時のものです。最新のデータはホームページなど最新のデータをご確認ください。

三新軒 TEL:0250-22-1111

(出典:旅行読売2022年7月号掲載)

(WEB掲載:2022年8月●日)


Writer

渡辺貴由 さん

栃木県栃木市生まれ。旅行情報誌制作に30年近く携わり、全国各地を取材。現在、月刊「旅行読売」編集部副編集長。プライベートではスケジュールに従った「旅行」より、行き当たりばったりの「旅」が好き。温泉が好きだが、硫黄泉が苦手なのが玉に瑕(きず)。自宅では愛犬チワワに癒やされる日々。

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