ローカル線に乗って、まだ見ぬ京都へ(2)
第六伊佐津川橋梁。第一から第六まであり、1904年舞鶴湾へ注ぐ伊佐津川に架けられた。イギリス積みのレンガ造橋脚が特徴的。第三・第四・第五・第六橋梁が近代化産業遺産(赤煉瓦)登録。舞鶴市上安久大内
京都府内唯一のお茶の村へ。 日本海を望む鎮守府の街へ。 単線を走るローカル線に乗って、 知られざる京都を探す旅へ――。
鉄路が切り開いた海の玄関口
南北約14キロと広い京都。日本海に面する舞鶴は1901(明治34)年に海軍鎮守府が置かれ、国際商業港としても栄えた。街の近代化への原動力になったのが、人や物資を運ぶ鉄道だ。
山陰線の綾部駅と小浜線の東舞鶴駅を結ぶのが舞鶴線。開業から約120年間支え続ける伊佐津川橋梁は、レンガ造りの橋脚が堂々としている。特急「まいづる」や緑色の普通列車が轟音を響かせて通過していく。
舞鶴線には港への支線があった、鎮守府引込線の中舞鶴線と、西舞鶴の埠頭につながる舞鶴港線だ。ともにすでに廃線だが、中舞鶴線の北吸隧道は、自転車歩行者専用道路として残る。レンガ造りのトンネル内はひんやりと涼しい。石畳に残る馬車の轍のように、軌道の痕跡から、かつて疾走した列車の姿に想いを馳せるのも楽しい。
舞鶴と言えば海の幸。その新名所がサカナテラス。ロゴマークに刻む仲買人ナンバー・133は、仕入れる魚介類の新鮮さの証しだ。「底引き網漁が解禁になる9月は幻のエビ・土エビやノドグロが旬です」と永田真店長。舞鶴富士を窓越しに、刺身や煮付を選ぶオリジナル定食を満喫しよう。
沿線で歴史の1頁をひもとくなら禅刹・安国寺へ。室町幕府を開いた足利尊氏の出生地とされ、全国に建立した安国寺の筆頭として尊氏が再建した。秋は燃えるような紅葉に包まれる。
京都総合観光案内所「京なび」
TEL:075-343-0548