「WEST EXPRESS 銀河」で、夜行列車全盛期を回想(1)
京都駅で出発を待つ「WEST EXPRESS 銀河」。シックな塗装と専用ヘッドマークが旅情を誘う
バラエティに富む座席で、さまざまなニーズに対応
国内を走る夜行列車は削減が進み、現在定期的に乗れる列車は指折り数えるほどになってしまった。そのような中で2020年に登場した「WEST EXPRESS 銀河(以
下、銀河)」は、カジュアルで快適な室内設備が好評を博し、予約を取ることも難しい人気列車だ。今回は夏休みシーズンに運行された「山陰コース」の下り列車に乗車し、鉄道開業150年の今を走る最新夜行列車の旅をお伝えする。
銀河は、国鉄時代に造られた117系電車を改造して誕生した。車齢40年ともなればレトロ車両の範疇に入るが、逆にそれが鉄道ファンの人気を呼んでいる。車両
は夜行と昼間の双方の運行に対応。電源やWi-Fi 設備もあり、現代の旅にマッチしている。その代表は6号車のプレミアルーム。複数人用のグリーン個室となっていて、夜行時にはイス席が快適なベッドに転換する。
開放式B寝台風の設備やリクライニングシートなども
そのほかにも、クシェットと呼ばれる懐かしい開放式B寝台風の設備やリクライニングシートなど、様々なニーズに対応した客室がある。なお銀河に乗車するには、日本旅行ほかの旅行商品に申し込む必要がある。おおむね出発1か月前に募集が開始され、電話予約による先着順となっている。
今回乗車した「山陰コース」は、京都駅から東海道・山陽・伯備・山陰線を経由して神話の国・島根の出雲市駅を目指す。下り列車、上り列車ともに夜行運行で、下り列車は京都駅を21時15分に出発、出雲市駅到着は翌朝9時31分だ。
記念撮影を終えた乗客たちが乗り込むと、銀河は定刻に京都駅31番線ホームを後にした。
文・写真/伊藤岳志
「WEST EXPRESS 銀河」で、夜行列車全盛期を回想(2)へ続く
(出典:「旅行読売」2022年10月号)
(Web掲載:2022年10月8日)