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おおいた探訪③~国東の旅~

場所
> 国東市
おおいた探訪③~国東の旅~

ロンドン生まれの芸術家、アントニー・ゴームリ―の作品「ANOTHER TIME XX」。作者自身をかたどった作品で、像は遠く四国と本州との間を見つめる

神領地で現代アート巡り

国東半島の東半部を占める国東市。南部には大分空港があり、空の玄関口になっている。半島は古くは宇佐神宮の神領地で、八幡神の化身といわれる仁聞菩薩(にんもんぼさつ)が多くの寺院を建てたと伝わり、「六郷満山(ろくごうまんざん)」(六つの谷間に数多くの寺院がある意)と呼ばれる仏教文化が広まった。同時に磨崖仏(まがいぶつ)や石仏、国東塔(石塔)など、独自の石造文化もできた。

奈良時代初期、仁聞菩薩が開いたとされる六郷満山最大級の寺院「千燈寺」跡。現在、迫力ある石の仁王像や五輪塔群が残る
奈良時代初期、仁聞菩薩が開いたとされる六郷満山最大級の寺院「千燈寺」跡。現在、迫力ある石の仁王像や五輪塔群が残る
断崖絶壁に立ち、石造の不動明王を安置する「五辻(いつつじ)不動」。仁聞菩薩が4人の同行者と修行したと伝わる
断崖絶壁に立ち、石造の不動明王を安置する「五辻(いつつじ)不動」。仁聞菩薩が4人の同行者と修行したと伝わる

今秋に芸術祭を開催

歴史ある国東の地を舞台に、現代アートとの融合を図った企画が2014年に開催された国東半島芸術祭だ。「ANOTHER TIME XX」をはじめ、今も7作品が各所に常設展示されアート巡りを楽しめる。2025年は豊後高田市と共同で、10月11日~11月30日に「国東半島芸術文化祭2025」を開催予定だ。

現代芸術家の宮島達男氏が手がけた作品「Hundred Life Houses」。“現代の磨崖仏”としてLED電球を使い、縄文遺跡に面した岩場に数字が光る作品を地域住民と制作した
現代芸術家の宮島達男氏が手がけた作品「Hundred Life Houses」。“現代の磨崖仏”としてLED電球を使い、縄文遺跡に面した岩場に数字が光る作品を地域住民と制作した
2021年に誕生した作品「光る道」。祇園八坂社の階段のない参道(片道約20分)の手すりに光明がともる。点灯は日没~22時/見学自由
2021年に誕生した作品「光る道」。祇園八坂社の階段のない参道(片道約20分)の手すりに光明がともる。点灯は日没~22時/見学自由

名物の太刀魚料理を賞味

海に囲まれた国東は新鮮な魚介類も魅力。特に銀色に輝く太刀魚は地元で「銀たち」と呼ばれ、ぜひ味わってほしい逸品だ。

道の駅くにさき内にある食事処「銀たちの郷」では、、塩焼き、刺し身などが付く太刀魚定食(2000円)を味わえる
道の駅くにさき内にある食事処「銀たちの郷」では、、塩焼き、刺し身などが付く太刀魚定食(2000円)を味わえる
食事処「銀たちの郷」では太刀重(1500円)もおすすめ
食事処「銀たちの郷」では太刀重(1500円)もおすすめ

旅データ

食事処「銀たちの郷」/11時~14時30分(土・日曜、祝日は~15時30分)/第4水曜(祝日の場合は翌日)休/TEL0978-73-2170

国東市観光・地域産業創造課TEL0978-72-5168

ツーリズムおおいたTEL097-536-6250

 

(出典:旅行読売2025年5月号)

(Web掲載:2025年3月28日)

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Writer

松田秀雄 さん

全国を取材で巡ること約30年。得意なテーマは「温泉」で、北海道・稚内温泉から沖縄・西表島温泉まで500湯・2000軒以上は訪れている。特に泉質は硫黄泉が好きで、湯上りに体を拭かず自然乾燥させるのがモットー。帰宅後、体に付着した硫黄成分が湯船に染み出して白濁する様子を見るのが好き。最近は飲泉への興味が強く、「焼酎割に適した温泉は?」を掲げて最高の一杯を探し中。旅行読売出版社・編集部に所属。

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