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心をととのえる初秋の洛西旅

場所
> 京都市
心をととのえる初秋の洛西旅

「谷の地蔵さん」として古くから信仰を集めてきた地蔵院

古の風情あふれる寺院が点在する京都市西部

京都市西部、洛西の松尾山や小倉山周辺には、初秋の旅にぴったりな古(いにしえ)の風情あふれる寺院が点在する。

「竹寺(たけでら)」の別名で親しまれている地蔵院は、室町幕府管領(かんれい)の細川頼之が、宗鏡禅師を招いて建立。竹林と苔に覆われた境内は清涼感にあふれ、緑のカエデがまぶしく光る。見どころは方丈前の枯山水庭園「十六羅漢の庭」。苔むした庭一面に、羅漢に見立てた16個の自然石が配されている。方丈の中から、座って眺めることができる。

地蔵院の南側にある浄住寺は、平安時代、嵯峨天皇の勅願寺として創建されたと伝わる由緒ある寺院だ。方丈は仙台藩4代藩主・伊達綱村の江戸屋敷を移築したもので、本堂と併せて通常非公開となっている(境内は通年拝観可能)。ただし、京都市観光協会が主催する「事前予約で楽しむ京都旅」(ホームページで要予約)では、坐禅と煎茶体験ができるプランがあり、その際に住職の説明を聞きながら、通常非公開の堂宇を拝観できる。また方丈の庭園を眺めながら、旬の食材を使った精進料理が味わえるプランも。2025年11月下旬からの秋の特別公開では、本堂と方丈の内部が公開されるほか、伽藍の一つ「寿塔」に安置されている360年もの間、一般に公開されていない秘仏も公開される予定だ。

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極楽浄土を思わせる浄住寺の優美な庭園

百人一首で知られる小倉山山腹にある常寂光寺は、日蓮宗大本山本圀寺(ほんこくじ)の第十六世、日禛(にっしん)上人が隠棲の地として慶長年間に開創した。もともとは公家で歌人の藤原定家の山荘があった場所といわれ、周囲は小倉山の豊かな自然に囲まれた風光明媚な地だ。境内はモミジの樹々が静かにそよぎ、苔むした庭が静寂さをいっそう際立たせる。伏見城の客殿を移築した本堂の裏、池のほとりをゆっくりと散策すると、寺のシンボルである多宝塔が現れる。桃山時代の建築で、高さは12メートル。内部は非公開だが、この場所からは美しい嵯峨野の風景を望むことができる。

静けさ漂う洛西の寺院で、心身をリセットして夏の疲れを癒やしたい。

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小倉山の斜面地を上るように堂宇が続く常寂光寺

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常寂光寺の多宝塔付近から望む嵯峨野の景色


京都浪漫悠久の物語「洛西・癒やしの寺めぐり~地蔵院・浄住寺・常寂光寺~」
2025年9月15日(月・祝) よる8時~8時53分 BS11にて放送

京都画報「南山城の国宝巡礼」 出演:常盤貴子 2025年9月10日(水) よる8時~8時53

※内容は変更の場合あり

☛京都府など近畿エリアへのツアーはこちら

(出典:「旅行読売」2025年10月号)
(Web掲載:2025年8月28日)


Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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