舞子駅【山陽線】
見上げれば明石海峡大橋、秋の夕日に映え橙色
神戸から山陽線を西へ向かう。左の窓に海が現れると、その向こうに大きな吊り橋が見えてきた。
橋の下にある舞子駅で下車。「近畿の駅百選」に認定された駅舎を出て振り返ると、駅の上を主塔間の長さ世界一(1991㍍)の吊り橋、明石海峡大橋が貫いている。
舞子公園を訪ねると、ノスタルジックな中国式楼閣の「移情閣(いじょうかく)」があった。現存する日本最古のコンクリートブロック建造物という。その脇から明石海峡大橋に上り、海面からの高さ47㍍、海上に150㍍ほど突き出た舞子海上プロムナードで海上散歩を楽しむ。眼下に広がる舞子公園と明石海峡の眺めは雄大だ。
爽快感の余韻に浸りながら駅へと戻ると、傾きかけた秋の日差しに、吊り橋の美しいフォルムが浮かび上がっていた。
文・写真/越信行
山陽線は1942年に全線開通、舞子駅は1896年に舞子公園仮停車場として開業。舞子駅へは山陽線神戸駅から山陽線快速で15分
(出典 「旅行読売」2015年11月号)
(ウェブ掲載 2019年11月1日)
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