二ノ瀬駅【叡山電鉄鞍馬線】
錦秋をまとって旅人を待つ洛北の小さな駅
紅葉の京都・洛北へ。叡山(えいざん)電鉄の1日乗車券「えぇきっぷ」を買って、出町柳駅から列車に乗った。
市原駅を過ぎ、建物がほとんど見えなくなると、赤や黄色に染まった通称〝もみじのトンネル〟に差しかかる。約250㍍にわたる錦模様に酔いしれていると、上りホームにログハウス風の駅舎が立つ二ノ瀬駅に着いた。
木の温もりを感じる駅舎のすぐ脇には、鮮やかに色付いたカエデの木があり、旅人を迎える。夜になるともみじのトンネル同様にライトアップされ、ひときわ輝きを放つ。駅から徒歩7分のところに、春と秋に1日100人限定で公開される白龍園の日本庭園があり、11月上旬~下旬の紅葉シーズンは特に鮮やかだ。
列車でさらに先の貴船口駅、鞍馬駅へ。貴船神社、鞍馬寺など、洛北の秋の彩りに心奪われた。
文・写真/越信行
叡山電鉄鞍馬線は1929年、叡馬電気鉄道により全線開業。二ノ瀬駅は同年開業。二ノ瀬駅へは出町柳駅から叡山電鉄普通列車で26分
(出典「旅行読売」2017年11月号)
(ウェブ掲載 2020年6月8日)
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