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美瑛駅【富良野線】

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> 美瑛町
美瑛駅【富良野線】

音なき雪の駅前を照らす「願い叶う木」

氷点下20度を下回る日も少なくない冬の北海道美瑛(びえい)町は、旭川から富良野線で1時間ほどの丘陵の町だ。私がこの町を毎冬のように訪れるようになって、かれこれ10年になる。雪景色はもちろんだが、たびたび出現するダイヤモンドダストが創り出す美しい光景に出会うためだ。

町のシンボルになっている駅舎にはこの地で広く建材に用いられた美瑛軟石が使われ、シラカバの白い幹と調和する。駅前には三角屋根のデザインで統一された街並みが続き、雪が降り積もった街は〝おとぎの国〟のようだ。

夜の帳(とばり)が降り、しばれる駅前で「願い叶う木」と呼ばれるイルミネーションが輝きを放っていた。「明日、いい瞬間に巡り会えますように」。そう願いながら、今宵の宿へと向かった。

文・写真/越信行

しばれる=北海道の方言で「ひどく寒い」こと


富良野線は1900年に全線開業、美瑛駅は1899年開業。美瑛駅へは、旭川駅から富良野線で35

(出典「旅行読売」2017年1月号)

(ウェブ掲載 2020年6月15日)

 

 

旅行読売人気連載「駅舎のある風景」が書籍になって発売!

*2021.6.28発売 定価1430円(税込)

Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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