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露天付き客室の宿「ちちぶ温泉 はなのや」(埼玉・大滝温泉) 

場所
> 秩父市
露天付き客室の宿「ちちぶ温泉 はなのや」(埼玉・大滝温泉) 

造りの異なる12種の露天付き客室 静かな山里の時間を楽しむ

武州日野駅のホームに降り立つと、やさしく包みこむような山容に迎えられた。池袋駅から西武線の特急で約1時間30分。さらに秩父鉄道に乗り換えて14分、都会からわずか2時間だが、のどかな風景と山里の空気に、一気に気持ちがゆったりする。

秩父鉄道武州日野駅

宿までは送迎車で4分ほど。竹林の向こうに「ちちぶ温泉 はなのや」の看板が見えた。2階建てのこぢんまりした建物だ。2014年にリニューアルされ、館内は明るく清潔。木のぬくもりを生かした造りになっている。

12室の客室はすべて露天風呂付き。畳敷きの和室、ベッドと畳のスペースがある和洋室、二間続きで露天に加えて内湯も付く特別室もある。それぞれ部屋の造りも露天風呂の造りもさまざま。変化に富み、ニーズに応じていろいろな楽しみ方ができる。2人で過ごすなら和室でも十分ゆったりできる。

五つの特典付きプランが人気。客室露天風呂付きとは思えない価格設定になっている。特典はお菓子の詰め合わせと秩父名水のプレゼント、トランプや将棋などゲームの貸し出し、夕食後に秩父名所バスツアーへの参加と盛りだくさん。さらに姉妹館の梁山泊(りょうざんぱ く)(小鹿野大竜寺源泉)、別邸花水木(鳩の湯)の日帰り入浴もでき、異なる源泉の湯巡りが楽しめる。

はなのやをはじめ各宿の大浴場には秩父の地酒「秩父錦」が用意され、アイスキャンディーも食べ放題と至れり尽くせりだ。

10畳の和室タイプの部屋。庭に露天風呂がある

スタッフの笑顔と気配りでプライベート空間を演出

部屋に入って荷物を置き、まずひとっ風呂。青空の下、庭の露天で手足を伸ばす。なんたる開放感だろう。源泉は大滝温泉三峰神の湯。霊場三峯神社の宿坊にも引かれている名湯で、美肌にもいいナトリウム・塩化物泉だ。運び湯を循環ろ過し、大浴場、客室露天風呂ともに24時間給湯している。

夕食は料理長が厳選した旬の素材を使った創作和食

夕食は個室の食事処で創作和食。メインの埼玉県産のハーブ三元豚のしゃぶしゃぶは臭みがなくさっぱりした味わい。肉厚なのは、「冷凍ではなく生の肉を使っているから薄くできない」というぜいたくな理由からだ。ありきたりの和食会席にならないよう、常にメニューも工夫しているという。しめに出るそばは、宿で手打ちしている。香りといい味といい感動ものである。

チェックインしてからすれ違ったのは数組のお客さんのみ。庭の露天風呂と部屋を行き来するうちに、日が暮れて行く。この静けさが宿の大いなる魅力だろう。

「プライベートな空間を提供したいので、ほど良い距離感でのおもてなしができればと思っています」と副支配人。

ベビーバスの貸し出し、食事の際には子ども用食器やストロー付きコップを用意するなど、気配りはきめ細かい。頼めばいつでも新しいタオルを届けてくれる。

スタッフはみな明るくアットホーム。何より、いつもニコニコと喜んで対応してくれるので、小さなことでも頼みやすい。宿のある荒川地区はそば畑も多く、おいしいそば屋も点在。帰りに立ち寄るのもいいだろう。

はなのやの全景
ちちぶ温泉 はなのや(宿データ)

交通 西武秩父線西武秩父駅から徒歩5分の御花畑駅で秩父鉄道に乗り換え14分の武州日野駅下車、送迎4分(要予約)、または徒歩15分/関越道花園ICから国道140号経由20㌔

所在地と電話 秩父市荒川日野542/☎ 0494-54-2654

埼玉県 関連ツアーはこちらから。

Writer

高崎真規子 さん

昭和の東京生まれ。80年代後半からフリーライターに。2015年「旅行読売」の編集部に参加。ひとり旅が好きで、旅先では必ずその街の繁華街をそぞろ歩き、風通しのいい店を物色。地の肴で地の酒を飲むのが至福のとき。本誌連載では、大宅賞作家橋本克彦が歌の舞台を訪ねる「あの歌この街」、100万部を超える人気シリーズ『本所おけら長屋』の著者が東京の街を歩く「畠山健二の東京回顧録」を担当。著書に『少女たちはなぜHを急ぐのか』『少女たちの性はなぜ空虚になったか』など。