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絶景ダムを巡りダムカード収集(1)

場所
> みなかみ町 中之条町 長野原町
絶景ダムを巡りダムカード収集(1)

約400㍍の水路を通って迫力ある放流を見せる矢木沢ダム(写真/水資源機構沼田総合管理所)

ダムカード収集!ドライブ

 “首都圏の水がめ”として知られる群馬県のダムを巡るドライブに出かけることにした。その役割を学び、生活で大切な水源を見て、ダムカードを集めるのが目的だ。

ダムカードとは、ダムのことを知り、身近に感じてほしい思いから、国土交通省と独立行政法人水資源機構が管理するダム、建設中ダムを紹介するカード。2007年に作成し、ダムを訪れた人へ配布したのが始まりだ。全国746か所(2020年9月1日現在)の公式ダムカードがある。

公式カードは統一デザインで、このほか一部の都道府県や発電事業者が管理するダム、また統一デザイン以外のカードを作成しているところもある。

基本的にそれぞれのダム管理事務所で配布し、一部のダムは観光施設や土産店に配布を委託しているところもある。委託の場合、ダムを訪れて写したダム写真を提示してダムカードをもらう。事務所によっては平日のみ開所していたり、冬期休のところもある。

現在、新型コロナウイルスの感染症対策から、国土交通省及び水資源機構で管理するダム、建設中ダムに関しては、ダムカードの配布を休止中。2020年11月1日から配布を再開(休止期間を延長する場合あり)する予定だ。

矢木沢ダムのダムカード(表)
矢木沢ダムのダムカード(表)

ダムによって異なる“顔”

今回、向かった先は群馬県北部。関越道水上ICで下り利根川源流部へ遡る。宝川や湯ノ小屋温泉などの秘湯を過ぎたさらに奥に、最初の奈良俣ダムはあった。

「スキーのジャンプ台みたい」というのが第一印象。高さ158㍍のロックフィルダムで、全国約3000基あるダムの中で150㍍超えは11基しかない。ダム下から斜面脇に沿って上へと続く約800㍍の遊歩道があり、716段の階段を上がると天端(最頂部の水平部分)。そこから至仏山、笠ヶ岳など尾瀬の峰々を望める

「階段からダム斜面に触れるんです。表面のロック材は流紋岩で、マグマの流動時にできた流れ模様が特徴です」と、ダムを管理する水資源機構の大岩宏治さん。斜面を上ったり直に触れるとは思っていなかったので、驚くと共にうれしかった。

防災資料館から奈良俣ダムの斜面とダム湖を見渡せる
防災資料館から奈良俣ダムの斜面とダム湖を見渡せる
奈良俣ダムのダムカード
奈良俣ダムのダムカード

“ダム汁”に大喜び!

奈良俣ダムを後に少し道を戻って矢木沢ダムへ向かう途中、須田貝ダムも撮影した。発電用ダムのため天端を歩いたりはできないが、後で写真を提示してダムカードをもらうためだ。

矢木沢ダムは、アーチ式ダムを中心に重力式コンクリートダム、ロックフィルダムの3タイプがつながった珍しい構造。天端を歩きながら奥利根湖を見渡せ、防災資料館もある。豪雪地のため、冬季は立ち入れないダムだ。

「雪は貴重な水資源で、雪解けにより満水となる5月の点検放流は迫力満点です」と大岩さん。飛沫が見学者に降りかかり、ダム好きな人たちは“ダム汁”と呼び、喜んで浴びるそうだ。

間近で見学できる矢木沢ダムの点検放流(写真/みなかみ町観光協会)
間近で見学できる矢木沢ダムの点検放流(写真/みなかみ町観光協会)

温泉選びも楽しみなドライブ

さらに車を走らせると、今度は藤原ダムに着いた。奈良俣ダムや矢木沢ダムの下流にあり、ここを通して下流域へ放流するため、年間約90日と放流回数が多い。

「下流域の流量を安定させる利水放流のホロージェットバルブは直径2.4㍍あり、国内最大級の大口径です」と藤原ダム管理支所の齋藤達也さん。放流量は毎秒100立方㍍で、東京ドームなら約3時間30分で満水にできる。

藤原ダムの後で立ち寄った小森ダムは、発電用のため天端通路もゲートもなく無骨に思えたが、余水をそのまま自然に越流させる様子に親近感を覚えた。

水上温泉街にある道の駅みなかみ水紀行館で須田貝ダムと小森ダムで写した写真を提示し、ダムカードを入手し初日終了。水上温泉や谷川温泉は近いし、翌日の行程を考えて四万温泉に宿をとるのもいい。温泉選びがまた楽しいドライブルートである。

主放流設備であるクレストゲート3門が印象的な藤原ダム
主放流設備であるクレストゲート3門が印象的な藤原ダム
藤原ダムのダムカード
藤原ダムのダムカード
道の駅みなかみ水紀行館で味わえるダムカレー(サラダ・デザート付き)。矢木沢ダムのアーチをイメージしている
道の駅みなかみ水紀行館で味わえるダムカレー(サラダ・デザート付き)。矢木沢ダムのアーチをイメージしている

(出典「旅行読売」2020年11月号)

(ウェブ掲載2020年11月3日)

絶景ダムを巡りダムカード収集(2)

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Writer

松田秀雄 さん

全国を取材で巡ること約30年。得意なテーマは「温泉」で、北海道・稚内温泉から沖縄・西表島温泉まで500湯・2000軒以上は訪れている。特に泉質は硫黄泉が好きで、湯上りに体を拭かず自然乾燥させるのがモットー。帰宅後、体に付着した硫黄成分が湯船に染み出して白濁する様子を見るのが好き。最近は飲泉への興味が強く、「焼酎割に適した温泉は?」を掲げて最高の一杯を探し中。旅行読売出版社・編集部に所属。