日本遺産をぶらり散策佐賀のあま~いひとり旅【小城市】
餡を木箱に流し入れて作る村岡総本舗の伝統製法の切り羊羹
砂糖文化に育まれた銘菓
2020年6月に認定された日本遺産「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」。認定されたシュガーロード(長崎街道)の街道沿いには、江戸時代、出島から運ばれた砂糖によって多彩な銘菓が誕生した。砂糖文化を受け継ぐスイーツを探しに、日本遺産に含まれる佐賀県小城市をひとり旅。
小城市は、鍋島藩の城下町として栄え、長崎街道の宿場「牛津」も有名だ。そして、砂糖文化が育む“羊羹の町”として広く知られている。
唐津線小城駅を降り立つと、南側は田園風景、北側には遠く天山山系の山々が見渡せる。趣ある城下町を歩くと、『小城羊羹』の看板を掲げる店にいくつも出合う。聞けば羊羹の店だけで18店あるそうだ。
そのひとつ、1899年創業の村岡総本舗本店を訪ねた。小城羊羹の名を全国に広めた老舗菓子店だ。さっそく、120年以上の伝統を受け継ぐ羊羹を頂いた。上品な甘さとしっとりとした味わい。
「これが作りたての小城羊羹の味。少し時間が経つと砂糖が浮き出てシャリ感が出て、それはそれでまったく違った食感が楽しめますよ。日本遺産に認定されたここだわりの味を堪能して下さい」と村岡安廣社長は笑顔で語った。
小城で新スイーツを堪能する
伝統菓子を堪能した後は、地元で評判のスイーツ店「Tem.de suc.(テム デ サック)」へ。古民家を利用した店内では、パティシエでオーナーの次富(つぎとみ)あすかさん手作りのケーキとティーアドバイザーによる紅茶が楽しめる。店自慢の瓶詰めチーズケーキは、舌触りがなめらかで、口の中でとろける。後引く美味しさだ。
名水の里で味わう鯉料理
市内には、名勝・清水(きよみず)の滝、古刹の宝地院、門前の鯉料理店、そして鯛焼きならぬ「鯉焼き」など、見所、グルメが満載だ。ひと味違ったひとり旅を、ここ佐賀で満喫しよう。
小城のスイーツ巡りのあとは、佐賀の名湯に泊まってゆるり
【嬉野温泉】
ぬめりのある湯は美肌の湯として知られる。温泉を使った湯豆腐が名物。例年1月下旬から2月中旬開催の「うれしの あったかまつり」ではランタンと灯籠が温泉街を照らしだす。
【武雄温泉】
約1300年前から湧く名湯で、肌がしっとりなめらかになる弱アルカリ単純泉。温泉街散策とあわせて、15万坪を誇る池泉回遊式庭園「御船山楽園」も巡りたい。
小城市へのアクセス
電車=唐津線小城駅下車/車=長崎道小城スマートICから3㌔