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【鉄印帳の旅】北条鉄道

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【鉄印帳の旅】北条鉄道

兵庫県南部の田園地帯を走る北条鉄道へ旅に出た。

車窓から兵庫県の「景観形成重要樹木」に指定される網引(あびき)駅の大イチョウを眺め、法華口駅では今年9月に運用開始したばかりの行違い設備で上り列車とすれ違う。やがて山の頂に大きな地球儀が見えると、ほどなく終着の北条町駅に到着した。
 

北条鉄道の鉄印(スタンプタイプ)
北条鉄道の鉄印(スタンプタイプ)

北条鉄道の鉄印は2種。発売当初からある「北条町駅」の旧駅名表示板をモチーフにしたスタンプタイプと、新たにデザインされ8月下旬に発売された書き置きタイプ。いずれも北条鉄道の熱烈なファンが描いたオリジナルキャラクターの「北条ふらわ」があしらわれる。

二つのうちスタンプタイプをチョイス。鉄印を押してくれた運転課の富永篤史さんは「駅名表示板とそっくりの文字の版を起こすのにとても苦労しました」と話す。早速、旧駅名表示板と見比べたがまさにそのままで、嬉しさも倍増だ。

 

丸山総合公園
ギネス世界記録に認定された世界一大きな地球儀時計(直径5メートル、総重量14トン)がある丸山総合公園

鉄印をもらい、今度は列車から見えた地球儀のある丸山総合公園を目指す。実際に自転をして時を告げている展望台から辺りを一望したあとは、北条鉄道の車両形式名「フラワ2000形」の由来にもなった兵庫県立フラワーセンターへ。園内では四季折々の花々が咲き乱れ、併設されるレストハウス「フルーリ」で花を愛でながら、昼食に志方牛ステーキ御膳(2650円)を味わう。

 

志方牛のステーキ御膳
花と緑のレストハウスフルーリで味わえる志方牛のステーキ御膳

帰りしな、行きに列車の行違いが行われた法華口駅を見学する。遠隔で閉そく区間の列車の運行を管理する「票券指令閉そく式」を日本で初採用。駅員のいない無人駅で行われる行違いにこれからの時代のローカル線の姿を垣間見た。

見どころ満載の小さなローカル線を思う存分楽しめた1日だった。

北条鉄道
鉄印帳の販売・鉄印の記帳は北条町駅で9時~20時。
鉄印帳2200円/鉄印(2種類)の記帳料各300円(乗車券の提示が必要)。
TEL:0790-42-0036

(出典「旅行読売」2020年12月号)

(ウェブ掲載 2020年12月24日)

 



Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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