【ロープウェイで夏絶景へ】蔵王ロープウェイ(2)
蔵王センタープラザの露天風呂。コバルトブルーの硫黄泉があふれる
昔ながらの風情に新店も加わり魅力を増す蔵王温泉
【ロープウェイで夏絶景へ】蔵王ロープウェイ(1)から続く
雄大な蔵王の眺めをロープウェイを使って山上から楽しみ、原生林が茂る森を散策した後は、麓の蔵王温泉で疲れを癒やす。
今回利用した宿は温泉街の中心にある蔵王センタープラザ。ロフト付きの部屋もありファミリーやグループにもおすすめだ。24時間入れる大浴場、露天風呂には硫黄泉がかけ流し。夕食では山形牛のしゃぶしゃぶや手打ちそばが味わえる。目の前にコンビニエンスストアがあるので、素泊まりで利用しても不自由しない。2021年の末に、施設内に「そばカフェMONZA(モンツァ)。」がオープン。ご時勢に合わせてワーケーションスペースも設けた。
温泉街の若手有志がクラウドファンディングで新店オープン
古き良き温泉街の風情は昔のままだが、コロナ禍を乗り切ろうと次世代を担う若手も頑張っている。2021年10月にオープンした「蔵王カフェ&バルChotto(チョット)」もその一軒。50歳以下の地元有志が設立した㈱湯50のプロジェクト第1弾で、クラウドファンディングにより開業支援金を募集した。
カフェの目玉はベトナム風サンドイッチ「バインミー」。夜はスパイシーなつまみとアルコールで、蔵王温泉に新風を吹き込んでいる。
温泉街のはずれの鴫(しぎ)の谷地沼は静寂に包まれて
旅の終わりに、温泉街の外れにある鴫の谷地沼を訪ねた。ロープウェイや百万人テラスから見えていた、深緑色の沼が気になったからだ。周囲1.2キロを巡る遊歩道をたどったが人影はほとんどなかった。木々の緑と青空を映す湖面がかすかに揺れていた。鳥の声、虫の声が絶えることなく響き、山腹を往復するロープウェイが小さく見えた。「何もないけどそれでいい」。久しぶりにそんな気分にひたり、不思議な充足感に包まれた。
蔵王センタープラザ 1泊2食1万3150円~/日帰り入浴600円(10時~20時〈土曜は~19時〉、無休)/☎023・694・9251
そばカフェMONZA。 ランチ11時~14時、カフェ14時~16時/無休/☎023・694・9251(蔵王センタープラザ)
蔵王カフェ&バルChotto 11時30分~18時(金・土曜は~20時30分)/火曜休/☎023・665・0607
※料金と営業は掲載時のものです。
(出典:「旅行読売」2022年8月号)
(Web掲載:2022年9月17日)