【47都道府県 行きたい道の駅】明治の森・黒磯 酪農王国の多彩な乳製品を堪能、那須野が原開拓の歴史に触れる
森を眺めながら憩えるダイニング。食べておいしかったものはマーケットで購入しよう
「農家が集まる道の駅」をコンセプトにリニューアルOPEN
栃木県北東部の豊かな自然に囲まれた那須エリアは、湯巡りやトレッキング、紅葉ドライブなど旅の楽しみ方も色々。そんな人気観光地を象徴する景色の一つが、那須連山の麓で牛がのんびりと草を食(は)む牧場風景だろう。那須塩原市の生乳産出額は全国第2位。酪農王国の魅力と歴史に触れられる道の駅が、2024年4月にリニューアルオープンした。
明治の森・黒磯は東北線黒磯駅と板室温泉を結ぶ板室街道(県道369号)沿いに立ち、東北道黒磯板室ICまたは那須ICから車で10分~15分とアクセス良好。酪農の盛んな青木地区にあり、広大な森を含む敷地面積は7.5ヘクタールに及ぶ。1998年開業で、建物が老朽化したため、農産物直売棟とレストランを解体。「農家が集まる道の駅」をコンセプトに、直売所やレストラン、工房を一体化した施設に生まれ変わった。
館内は天井が高く、窓から見える木々の緑も清々(すがすが)しい。「明治の森マーケット」は農産物、乳製品、物産品のコーナーに分かれ、夏はトマトやナス、トウモロコシなどの採れたて野菜が存在感を放つ。牛乳やチーズ、アイスクリームなどの乳製品は品ぞろえ豊富で、発酵バターを生かした焼き菓子も土産に良さそう。
施設最大の特徴であるミルク工房では地元の生乳を使用した牛乳や飲むヨーグルトを製造しており、小窓から中の様子を見学できる。作りたてのソフトクリームは「明治の森ミルクスタンド」で販売しているので、テラス席で味わいたい。
ランチタイムは「明治の森ダイニング」へ。酪農の価値を高める取り組みの一環として、乳牛の経産牛を用いたハンバーグやビーフカレーを提供。ヨーグルト風味のクリームを添えた焼き菓子・リンツァートルテやミルクプリンなどスイーツもそろう。ダイニングの窓から木々越しに望むのは、旧青木家那須別邸だ。
明治時代、ドイツ公使などを歴任した子爵・青木周蔵は、原野だった那須野が原を開拓して青木農場を開設。1888年築の別邸は国の重要文化財に指定され、日本遺産「明治貴族が描いた未来~那須野が原開拓浪漫譚(ろまんたん)~」の構成文化財となった。
道の駅の北側にある「N's YARD(エヌズ ヤード)」は現代美術家・奈良美智(よしとも)の個人美術館。板室街道では「ART369(ア ートサンロクキュー)」と呼ばれるプロジェクトが進行中で、点在するアート施設を巡るドライブ旅も楽しめる。
文/内山沙希子
明治の森・黒磯
TEL:0287-63-0399
住所:那須塩原市青木27
営業:【マーケット】8時30分~17時【ダイニング】11時~17時【ミルクスタンド】9時~17時(12月~2月は~16時30分)/第3火曜休、元日休(8月は無休、12月~2月は火曜休、ダイニングは火・水曜休)
交通:東北道黒磯板室ICから7.5キロ
駐車場:【普通車】157台【大型車】6台
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年9月号)
(Web掲載:2024年10月22日)