【47都道府県 行きたい道の駅】枯木灘海岸の絶景と海山のグルメ、温泉や水族館も楽しめる~すさみ~
上空から見たすさみ。枯木灘海岸が眼下に広がる絶景だ
“すさみ”は旅感たっぷりで、思い出になる道の駅
紀伊半島の東と西から延伸工事が進む紀勢道。現在、和歌山県側の終点はすさみ南ICで、来年は串本町まで開通する予定だ。「道の駅すさみ」は、すさみ南ICの開通を機に2015年にオープンした。敷地面積は8860平方メートルで、雄大な枯木灘海岸を見渡す高台に立っている。
館内の売り場には加工食品や地場野菜、紀南地方の土産物などが並ぶ。パック入りの「さんま寿司(ずし)」や「めはり寿司」は、地元の生産者が毎朝作って運んでくる郷土料理の代表格だ。運営しているのは、和歌山市を拠点とする人気の総合和食レストラン「信濃路」。その味を道の駅で堪能できるとあって、昼時になると町の人々もやってくる。
レストラン「蒼海(そうかい)」では、「本日のお造り定食」が人気を集める。「紀南エリアで獲れたマグロ、カンパチ、カツオなど5種の魚を使っています。すさみ町はカツオを疑似餌で釣るケンケン漁が盛んな地域なんです」と事業統括責任者の冷水(しみず)健志さんが教えてくれた。
特産のイノブタを使った「猪豚焼肉丼」も名物だ。イノシシと豚を掛け合わせたブランド肉で、臭みがなく濃い甘みとうまみが特徴。すさみ町はイノブタ発祥の地として知られ、駐車場の一角にイノブタ肉の自動販売機も設置されている。
連携施設も魅力がいっぱいだ。駐車場内に立つ「すさみ町立エビとカニの水族館」は、世界中から集めたエビとカニを展示するユニークな水族館。約150種の甲殻類や、地元で採取された魚などを展示している。世界最大のカニであるタカアシガニの水槽に手を入れてタッチできる体験コーナーもある。
隣接するホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山熊野古道すさみ」内の温泉「望海のゆ」に日帰り入浴できるのもうれしい。太平洋を一望しながら露天風呂につかれば、長距離運転の疲れも吹き飛ぶ。すさみは車中泊可能な道の駅なので、早起きして朝風呂を楽しむ人も多い。
「車中泊の方には、夜も営業している 〝すさみ夜市(よいち)〟もおすすめです」と冷水さん。道の駅内の飲食店の一つで、バーベキューもできる。キンと冷えたビールや地酒を飲みながら、夕日が沈みゆく海を眺めて過ごしたい。ここは旅感たっぷりで、思い出になる道の駅だ。
文/北浦雅子
すさみ
TEL:0739-58-8888
住所:すさみ町江住808-1
営業:【物販エリア】9時~18時/無休【蒼海】11時〜16時30分/無休【すさみ夜市】17時~20時30分/祝日を除く月・火曜休【望海のゆ】6時~9時30分、12時〜20時30分/800円/無休(施設により異なる)
交通:紀勢道すさみ南ICから1.3キロ/紀勢線江住駅から徒歩10分
駐車場:【普通車】146台【大型車】9台
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2024年9月号)
(Web掲載:2024年10月27日)