悠久の大河が迎える贅沢なクルーズ③~観光&絶景編~
巫峡で停泊中の豪華客船「センチュリー・レジェンド」号
大河・長江でリバークルーズ
中国の大河・長江(揚子江)の流れに身をゆだね、上海から重慶までの約2300㌔を11泊12日かけて航行するリバークルーズ。船内で過ごす優雅なひと時はもちろん、船上からだから眺められる絶景や寄港地で楽しむ上陸観光も大きな魅力だ。

旅の起点は大都会・上海
乗船したのは、センチュリークルーズ社(8・9月号掲載)が誇る豪華客船「センチュリー・レジェンド号」。世界遺産の廬山や三国志ゆかりの白帝城、古典詩に詠まれた黄鶴楼など、歴史と風景が織りなす名所旧跡を巡りながら船は峡谷を進む。
旅の始まりは、中国屈指の大都会・上海。摩天楼を眺めているうちに、気がつけば船は静かに動き出していた。上海の象徴である東方明珠電視塔に見送られ、悠久の旅が幕を開ける。

寄港して歴史スポットへ
最初に訪れたのは、長江貿易の拠点として栄え、遣隋使も訪れたという揚州。市随一の名勝・痩西湖では、清の乾隆帝が釣り糸を垂れたと伝えられる釣魚台でたたずんだ。
武漢の名勝・黄鶴楼でも、歴史に我が身を重ねた。古来より数々の詩に詠まれてきた楼閣に立つと、李白や杜甫が見たであろう景色が眼前に広がる。数百年の時を越え、詩人と心を通わせたような、不思議な感覚に包まれる。


大迫力で迎える三峡ダム
旅の終盤では、世界最大級の三峡ダムにも寄港する。高さ180m、長さ2.3kmを誇る巨大建造物が、圧倒的な存在感を放っていた。上陸してのダム見学後、真のクライマックスは夜。ライトアップされた閘門を、水位差を利用して船が音もなく上昇していく。幻想的という言葉では言い尽くせない体験だった。
絶景が続く三峡
ダムを越えると、長江随一の景勝地・三峡が姿を現す。瞿塘峡、巫峡、西陵峡と、切り立つ断崖が両岸から迫る。客室の専用バルコニーで、お茶を楽しみながら見上げるその景色は、心に深く残る美しさである。

三国志ゆかりの地へ
瞿塘峡では白帝城へ寄港。三国志の英雄・劉備が最期を迎えた地であり、李白の詩「早発白帝城」が思い浮かぶ。楼閣から蛇行する長江を見下ろしながら、この地に積み重ねられた数千年の歴史に思いをはせた。
リバークルーズの終着・重慶
終着の重慶の街が近付くと、下船を惜しむ気持ちが強まる。静かに旅を振り返ると、リバークルーズでなければ出会えなかった風景と物語が、心の奥に刻まれていた。紅葉や雪の季節に乗船すれば、また新たな物語が心に刻まれることであろう。

<問い合わせ>
センチュリークルーズjp@centurytrip.com
公式サイトは、こちら
※読売旅行では、センチュリークルーズを楽しめるツアーを用意しています。
ツアーの詳細は、こちら
(出典:「旅行読売」2025年10月号)
(Web掲載:2025年8月22日)