客室露天風呂で雪の渓谷美を独占②
客室露天風呂の一例
客室露天で優雅なひと時を
客室にある露天風呂につかりながら、のんびりと雪景色を楽しみたくて福島・芦ノ牧温泉を訪ねた。荷を解いた宿は、全49室から渓谷を見渡せる和風旅館「丸峰別館 川音」。客室にある露天風呂はヒノキ造りで、雪化粧した大川の絶景を眺めながら、夕食までに何度も入ったり出たりを繰り返し、刻一刻と変わるその渓谷美を楽しんだ。
料理はすべてが主役
料理人との会話も楽しい
食事処には10人が並べるカウンター席もあり、料理人がその場で盛り付けし、会話を挟みながらもてなしていた。女性客の一人は「雲丹・サーモンのクリーム煮」が気に入ったようで、「このクリームは、どんな食材もおいしくしてくれそう」と。同じ思いであり、タイのお造りに付けてみると洋皿をもう一品味わったかのよう。「次は何に付けてみようか」と、楽しんでしまった。
うれしくて「ふぅ~」
食後、大浴場「古代檜の湯」へ向かった。縁も底もすべて樹齢約500年の古代ヒノキを使う湯船で、縁からとうとうと湯があふれている。
ほかに湯客はなしと思い浴室内に響く声で「ふぅ~」と湯につかると、湯煙の奥に初老がひとり。「その気持ち、分かりますよ」と声をかけられた。迷惑をわびると、「私もさっき客室の露天風呂で、いい歳をして叫んじゃいましたよ」と。どことなくうれしそうな表情から、客室露天風呂で心地良いひと時を過ごしたであろうことが伝わってきた。
文/松田秀雄
<施設データ>
丸峰別館 川音
TEL0242-92-2121
https://www.marumine.co.jp/marumine/
(出典 「旅行読売」2020年2月号)
(ウェブ掲載 2020年2月4日)
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