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フルムーン夫婦グリーンパスで新幹線・全国旅行(1)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 福井県

フルムーン夫婦グリーンパスで新幹線・全国旅行(1)

海と天草の島々を望む九州新幹線の絶景ポイント、出水ー新水俣駅間を行くN700系

プラン① 麺と温泉を楽しむ欲張り旅

JRのきっぷで最もお得感が高いのが「フルムーン夫婦グリーンパス」(詳細は下記)。全国のJR線の新幹線(のぞみ、みずほを除く)、特急、急行、快速、普通列車のグリーン車が乗り放題で、有効期間・料金も5、712日間の3パターンから選べるという、実にぜいたくで使いがいのあるきっぷだ。全国に新幹線網が張り巡らされた現在、利用価値はますます高くなった。

利用条件も、夫婦(または生活を共にしている男女)の合計年齢が88歳以上と、ミドル層も利用できる間口の広さが魅力だ。今回は東京を起点に、フルムーン夫婦グリーンパス5日間用を利用した、全国の新幹線をフル活用するお得で楽しい夫婦旅プランを二つ紹介。モデルコースでシミュレーションしてみた。

※掲載しているのは2020年3月現在の料金・時刻。最新情報はJRのホームページ等をご確認ください。

東北新幹線
陸奥湾をバックに函館を目指す北海道新幹線「はやぶさ」。E5系とH5系が使用される(写真はE5系)

函館塩ラーメン、盛岡冷麺、じゃじゃ麺…

そば、うどん、ラーメン……。麺大国日本は、多種多様なおいしいご当地麺が存在する。このプランは、日本全国のご当地麺を制覇、舌鼓を打ちながら近くの有名温泉地に泊まり、麺グルメと温泉の両方を堪能してしまうという、欲張り夫婦におすすめの旅である。

1日目は東京駅から東北・北海道新幹線「はやぶさ」に乗車して新函館北斗駅まで北上する。朝イチの「はやぶさ」1号に乗車すれば、函館中心市街にはお昼時に到着。ここで函館名物の塩ラーメンを食べよう。せっかく函館まで来たのだから、赤レンガ倉庫や夜景など市内観光も楽しみ、「函館の奥座敷」の湯の川温泉に泊まる。

2日目は、函館駅近くの朝市をぶらぶらしてから盛岡駅に移動。盛岡の名物麺は冷麺、じゃじゃ麺、わんこそばと3種もあるので目移りしてしまうが、ハシゴをするのもよい。ここから東北新幹線~北陸新幹線~北陸線特急を乗り継いで一気に福井県へ向かう。その間ずっとグリーン車に乗れるのだから快適。夜は県内有数の温泉地、あわら温泉に泊まる。

あじさい塩ラーメン
函館塩ラーメンは澄んだ琥珀色のスープが特徴。函館駅内にある「あじさい」も有名店の一つ
盛岡冷麺
シコシコした麺が魅力の盛岡冷麺。市内に多くの店がある

博多とんこつラーメン、かしわうどん、駅そば…

前日が大移動だったので3日目はのんびりスタート。芦原温泉駅を昼前に出て、福井市内で名物の越前おろしそばを賞味。福井駅から北陸線特急「サンダーバード」で新大阪駅、東海道・山陽新幹線で新神戸駅へ向かい、「日本三古湯」の一つ、有馬温泉に宿をとる。

4日目は午前中、山陽新幹線で一気に九州の博多駅を目指す。博多はとんこつラーメンが名物だが、実はだしの利いたうどんも地元で愛されている。どちらもツルリと食べられるので、ハシゴで攻めたいところ。午後は人気の特急「ゆふいんの森」で由布院駅へ向かい、名湯、由布院温泉に泊まる。

5日目は、東京へ戻りながら途中下車で駅麺を楽しむ。久大線で大分駅、日豊線特急「ソニック」で小倉駅へ向かい、小倉駅名物かしわうどんでランチ。最後は山陽・東海道新幹線で名古屋駅下車。ここではもちろん日本屈指の有名駅麺、住よしのきしめんを味わう。その後は再び東海道新幹線に乗って東京駅に戻る。

概算正規料金(運賃+特急料金+グリーン料金)は1人15万円以上となり、約8万5000円のグリーンパスはかなりお得になる。

文・写真/伊藤岳志(料理写真はお店提供または編集部)

フルムーン夫婦グリーンパスで新幹線・全国旅行(2)

きしめん
名古屋駅のきしめん店「住よし」は新幹線の全ホームに店舗がある

モデルコース時刻表

●1日目

東京 06:32発

 ↓東北・北海道新幹線はやぶさ1号

新函館北斗 10:53着/11:07発

 ↓快速はこだてライナー

函館 11:24着 湯の川温泉

●2日目

函館 08:48発

 ↓快速はこだてライナー

新函館北斗 09:07着/09:35発

 ↓北海道・東北新幹線はやぶさ18号

盛岡 11:43着/12:50発

 ↓東北新幹線はやぶさ22号

大宮 14:38着/14:50発

 ↓北陸新幹線はくたか567号

金沢 17:20着/17:48発

 ↓特急しらさぎ64号

芦原温泉 18:25着 あわら温泉

●3日目

芦原温泉 11:31発

 ↓特急サンダーバード18号

福井 11:42着/13:06発

 ↓特急サンダーバード22号

新大阪 15:00着/15:18発

 ↓東海道・山陽新幹線さくら563号

新神戸 15:31着 有馬温泉

●4日目

新神戸 09:31発

 ↓山陽・九州新幹線さくら549号

博多 12:02着/14:35発

 ↓特急ゆふいんの森5号

由布院 16:45着 由布院温泉

●5日目

由布院 10:03発

 ↓特急ゆふ1号

大分 10:49着/11:10発

 ↓特急ソニック24号

小倉 12:37着/13:19発

 ↓九州・山陽新幹線さくら554号

新大阪 15:38着/15:48発

 ↓東海道新幹線ひかり514号

名古屋 16:42着/17:08発

 ↓東海道新幹線こだま740号

東京 19:48着


フルムーン夫婦グリーンパス

国鉄時代の1981年に販売を開始した熟年層向けフリーきっぷ。夫婦(または生活を共にしている男女)で合計年齢が88歳以上という条件できっぷを販売。戸籍謄本などの書類提出の必要はなく、運転免許証や保険証などの身分証の提示だけで大丈夫だ。

全国のJR線の新幹線(のぞみ、みずほを除く)、特急、急行、快速、普通列車のグリーン車が乗り放題で、有効期間と料金(2020年3月現在。最新のものはHPで確認を)は、5日間用が8万4330円、7日間用が10万4650円、12日間用が13万320円。さらに夫婦のどちらかが70歳以上であれば5000円引き(シルバータイプ)となる。

利用期間は例年秋~翌年初夏。購入はみどりの窓口、または主な旅行会社へ。

フルムーン夫婦グリーンパスを利用したツアーはこちらから。

(出典 「旅行読売」2020年5月号)

(ウェブ掲載 2020年10月22日)

Writer

たびよみ編集部 さん

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