沖縄本島 リゾートホテルひとり旅
ココ ガーデンリゾート オキナワのコテージの周囲には、ハンモックやベンチも置かれている
隠れ家のようなコテージでリゾート気分にひたる
南の島のリゾートホテルで、南国独特の暖かな風に吹かれ、ただ何もせず、日がな一日のんびりしたい……。ディナーのあとはバーでカクテルを飲んで、星を見ながら散歩でもして……。ずっと、心の隅にそんなひとり旅を思い描いていた。国内でそれがかなうのは沖縄以外にない。が、リゾートホテルのひとり泊は難しいとあきらめていた。
ところが、うるま市のココ ガーデンリゾート オキナワには、1泊朝食付きで1万1800円~(※2020年10月の料金。最新情報はホテルのホームページ等でご確認ください)の「ひとり旅応援シングル宿泊プラン」があるという。グループホテルのルネッサンス リゾート オキナワまでは那覇空港から空港リムジンバスで1時間10分。そこから無料のシャトルバスが運行している(所要15分)ので、アクセスもいい。思い切って訪ねたら、まさに念願の光景が広がっていた。
「客室はコテージになっています。こちらに降りるとライブラリー、この上にガーデンプールがあります」
スタッフがカートで部屋まで送る道々、敷地内の説明を聞きながら、その広さに驚く。道の所々には、鮮やかな南国の花が咲いている。
プールにライブラリー、アフタヌーンティーで優雅な気分に
まずはガーデンプールのデッキチェアに座り、青い空を見上げる。風が心地よい。木々のそよぐ音を聞きながらぼんやりしていたら、スタッフが声をかけてくれた。
「14時から15時30分までは、館内のお好きな場所でアフタヌーンティーが楽しめます。ライブラリーでは沖縄の本やCDを無料で貸し出しています。客室にコンポが備えてあるので、お好きな音楽をお楽しみください」
三線チャレンジや琉球グラスアート、サーターアンダギー作りなどのご当地体験プログラム「パラダイスチャレンジ」(有料)も行っている。ホテルでの時間を心地よく楽しめるよう、さりげないサービスがうれしい。
ディナーはレストランで飲茶のオーダーバイキング。暮れていくうるまの街を眺めながら、本格点心を味わう。なんと優雅な時間だろう。
高台にある約7000坪のホテルの敷地内には、コテージタイプの客室、ガーデンプール、ライブラリーラウンジ、レストラン&バー、リラクゼーションサロンなどが点在。レストラン&バーから眺める夜景は圧巻だ。
壺屋焼が並ぶやちむん通りで沖縄の伝統に触れる
せっかく沖縄に来たのだから、伝統にも触れてみたい。ホテルの近くに泡盛の古酒蔵があると聞き、立ち寄った。神村酒造では工場の隣に直売所があり、予約制で工場見学や試飲も行っている(現在休止中)。琉球王朝時代、泡盛は王家の指定した酒造所でしか造れない貴重な酒だったとのこと。原料がタイ米なのも初めて知った。泡盛はよい環境で熟成するほどよい味になる。神村酒造では「地下蔵預り古酒」のサービス(有料)も行っており、地下蔵には「息子が20歳になって乾杯できる日を楽しみに」といったメッセージとともに、多くの泡盛が並んでいた。
2日目の宿を那覇にしたのは、壺屋(つぼや)やちむん通りをゆっくり巡りたかったからだ。やちむんとは焼き物のこと。壺屋焼は300年以上の歴史があり、多くの工房や40軒近い焼き物の店が並んでいる。ここ10年ほどは若い職人も増え、新たな店も続々とオープン。斬新な色使いやデザインの作品も増えたと聞き、いろいろな店をのぞいてみたかったのだ。
古い民家のような店構えのguma guwa(グマグワ)には、朝ご飯をイメージしたモーニングシリーズなど、かわいい絵柄のカップが並ぶ。通りの入り口にある壺屋焼物博物館では、壺屋焼の歴史や特徴を分かりやすく学べる。
那覇といえば見逃せないのが、第一牧志(まきし)公設市場。土産物はもちろん、肉、野菜、魚、かまぼこ、漬物など、沖縄ならではの食材や加工品が売られている。建て替えのため今は近所の仮設場所での営業だが、にぎわいは変わらない。
市場の周辺には、国際通りをはじめ、市場本通り、平和通り、浮島通りなど個性的な通りがたくさんあり、洋品店や土産店やカフェや食堂が新旧入り混じって雑然と並んでいる。そんな通りをそぞろ歩くだけでも、沖縄のちゃんぷるーな(混然とした)魅力が実感できて楽しい。
文/高崎真規子 写真/三川ゆき江
住所:沖縄県うるま市石川伊波501
交通:那覇空港から空港リムジンバスとシャトルバスで1時間25分
TEL:098-965-1000
(出典 「旅行読売」2020年5月号)
(ウェブ掲載 2020年10月22日)
ひとり旅 関連ツアーはこちらから。
旅行読売臨時増刊 自分にごほうび「ひとり旅」
*2021年5月31日発売 定価1000円(税込)