【心の旅 寺社にふれる】 石清水八幡宮
社殿の造営は14度、修理は17度にもおよぶ。現在は1634年に徳川家光が造営したもの
木津川、宇治川、桂川が合流し、淀川となる三川(さんせん)合流の地は、京都と大阪を結ぶ交通の要衝だ。江戸時代は三十石船が行き交い、現在は名神高速や東海道新幹線、京阪本線が川の周囲を縫うように走る。
合流地点の南、男山に石清水(いわしみず)八幡宮は鎮座する。当地は都の裏鬼門(=南西)。国家鎮護の神として皇室の崇敬を集め、現在は開運厄除の“やわたのはちまんさん”として親しまれている。
平安時代の860年、朝廷の命により社殿が造営され、宇佐八幡から御祭神が勧請された。応神天皇、比咩(ひめ)大神、神功(じんぐう)皇后の三座の総称は「八幡大神」。御本殿は現存する八幡造の中で最大かつ最古。幣殿、舞殿、楼門、廻廊などを併せた社殿は、織田信長が修復、豊臣秀吉・秀頼が再建、徳川家光が造営した。2016年、10棟と棟札3枚が国宝に指定されている。
武家の信仰を集めた石清水八幡宮。「山崎合戦」の舞台となった天王山も近い。秀吉に、光秀に、男山はどう見えたのだろうか。
【石清水八幡宮】
京都府八幡市八幡高坊30
6時30分~18時(11月1日~12月30日)
TEL:075-981-3001