国営ひたち海浜公園の秋~コキアが丘一面を深紅に染める~(2)
紅葉したコキアで真っ赤に染まった「みはらしの丘」。左端に満開のコスモスも見える(写真提供/国営ひたち海浜公園)
緑から赤、そして黄金色へと色合いを変える3万3000本のコキア
国営ひたち海浜公園の秋~コキアが丘一面を深紅に染める~(1)から続く
秋、10月。緑いろだったコキアは徐々に色付いていく。一気に赤く紅葉するのではなく、頭の方から少しずつ赤くなり、緑と赤が混じり合う「グラデーションコキア」が見られるのも自然の妙。全体が真っ赤になるのは10月中旬だ。
この場所は「みはらしの丘」と呼ぶだけあって、丘に上れば太平洋も見えて気分爽快。丘の麓では10月上旬~中旬にそば、同中旬~下旬にコスモスも咲き、「タイミングが合えばそばやコスモスの花越しにコキアを見る“三重奏”が期待できます」と、同園広報係の星みきさんは話す。
「黄金コキア」の見頃は10月下旬~
10月下旬に入ると色が抜けはじめて、今度は赤と茶色のシックなグラデーションを描いて黄金色に染まる。短い秋の間にさまざまに色を変えて見る者を楽しませてくれるのも、コキアの魅力だ。ちなみにコキアの和名は「ほうき草」。かつて枝や茎を乾燥させてほうきを作っていたことが由来だ。晩秋、夕日を浴びて黄金色に輝くコキアが秋の深まりを告げる。
また、10月1日~30日には「きてみて さわって コキアカーニバル」を開催。クラフト体験、スポーツイベント、音楽イベントなどが予定されている。
園内は1周50 分のシーサイドトレインが走りレンタルサイクルも用意されているほど広く、森には遊歩道が巡らされ、砂丘も広がる。コキアのほかにも、さまざまな場所で自分だけの「秋の絶景」に出合えることだろう。
レトロなローカル線に乗って訪ねるのも一案
国営ひたち海浜公園へは常磐線勝田駅から路線バスが出ているが、勝田駅から東へ向かうひたちなか海浜鉄道港線を利用するのも一案だ。
同線の終点は阿字ヶ浦駅。ここから10月1日~11月6日の土・日曜、祝日は公園行きの無料バスが出る。期間中、阿字ヶ浦を散策する「阿字ヶ浦デジタル版スタンプラリー」も開催している。
文/渡辺貴由
問い合わせ:TEL029-265-9001(ひたち公園管理センター)
問い合わせ:TEL029-262-2361
(出典:「旅行読売」2022年11月号)
(Web掲載:2022年11月17日)