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駅舎のある風景 平戸橋駅【名鉄三河線】

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駅舎のある風景 平戸橋駅【名鉄三河線】

景勝地へ向かう無人駅で桜吹雪に包まれる

名古屋とその周辺の都市を結ぶ名鉄線を巡った際、三河線に乗車した。三河線は知立(ちりゅう)駅を中心に北と南に分かれ、北側は自動車産業が盛んな豊田市駅を通り、現在の終点猿投(さなげ)駅までを赤い2~4両編成の電車が走る。

猿投駅の一つ手前、戦後間もない頃、勘八峡(かんぱちきょう)へ向かう観光客でにぎわったという平戸橋(ひらとばし)駅には、美しい桜並木がある。この平戸橋駅を春に再び訪ねた。

駅へ差し掛かるとすでに満開となった桜並木が窓越しに見え、ホームに降り立つと春風に舞う花びらが迎えてくれた。

水色屋根の小さな駅舎を抜け、駅名の由来でもある平戸橋へ。そのたもとには平戸橋公園があり、駅と同じく美しい桜並木が勘八峡にできた越戸(こしど)ダムに向かって続く。矢作(やはぎ)川の流れを眺めながら、心地良い春の一日を満喫した。

文・写真/越 信行


名鉄三河線は前身の三河鉄道が1914年に一部開業。平戸橋駅は24年開業。知立駅から32分

 

(出典:「旅行読売」2021年4月号)

(WEB掲載:2023年1月6日)

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Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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