歴史散策とヴィーガン精進で、プレミアムにリフレッシュ――滋賀県大津市
圓満院の「宸殿」は1647年に御所から移築されたもの。「三井の名庭」をバックにした大津絵踊りの面の解説を受けた後、薬膳精進御膳をいただく。
西に比叡山、東に琵琶湖。京を支え続けた大津の歴史。 唯一無二の空間でぜいたくな時間を。文化財と食をデラックスに楽しむ。
経済、文化など、あらゆる面で京都を支えてきた近江。その中心都市である大津には現在も多くの寺社仏閣が点在し、文化財を擁している。比叡山の麓にある旧竹林院もそのひとつ。「里坊」と呼ばれる延暦寺の僧侶が隠居後に暮らした寺院だ。四季ごとに情趣豊かな表情を見せる庭園が美しい。
旧竹林院から徒歩5分。日吉大社は全国に約3800ある日吉、日枝、山王神社の総本宮。それぞれ国宝の東本宮には比叡山の山の神「大山咋神」を、西本宮には天智天皇の時代に奈良から迎えた「大己貴神」を祀る。同社の山王祭の歴史は1000年を超え、湖国三大祭の一つだ。
「競技かるたの聖地」として知られるのが近江神宮。667年に天智天皇が飛鳥から遷都した大津京跡に1940年に遷座。「小倉百人一首」巻頭の天智天皇の御製「秋の田のかりほの庵のとまをあらみわが衣手は露にぬれつつ」のゆかりから、境内の近江勧学館は競技かるたの「名人戦・クイーン戦」や「高校選手権大会」の会場となっている。
圓満院は現存する17門跡寺院の一つ。「三井の名庭」とも呼ばれる庭園は「宸殿」から堪能できる。圓満院では精進料理をベースに、「ヴィーガン」(=さまざまな菜食主義の総称)に対応したメニューを提供。江戸時代、東海道大津宿で旅人が買い求めた縁起物「大津絵」をイメージした薬膳精進御膳だ。「鬼の念仏」「藤娘」など、代表的な絵柄「大津絵十種」が形や色、食材などで表現された、見ても食べても楽しい精進料理。訪日外国人観光客の復活を見込んだメニューだが、日本人にとっても精進料理のイメージが変わる食感、味付けだ。食事の前には大津の花街で誕生した「大津絵踊り」の鑑賞を。境内の「大津絵美術館」では、その発祥やバリエーション、込められた意味や現在の大津絵について知ることができる。大津絵の世界を視覚と味覚で楽しめる、貴重な体験だ。
さらにぜいたくに琵琶湖と大津の町をめぐるなら、デラックスバスとクルーザーはいかがだろうか。
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[大津市へのアクセス]
鉄道/京都駅から東海道線10分の大津駅下車
車/名神高速大津IC 利用
[ 問い合わせ]
読売旅行観光振興部/TEL:03-6757-9351
※掲載の観光素材には、観光庁の「地域の稼げる看板商品」創出事業の一環として開発中のものが含まれています。詳細につては、読売旅行観光振興部までお問い合わせください。
(出典:「旅行読売」2023年3月号)
(WEB掲載 2023年2月1日)