【本をめぐる旅】寿ノ湯
1万冊あるライブラリーでは、プロの手で選ばれた本との出合いが楽しみだ
温泉と約1万冊の蔵書にひたる
昭和40年頃まで三田(さんだ)市内で営業していた銭湯「寿湯(ことぶきゆ)」。地域で愛されたその湯を偲(しの)び、2020年にオープンしたのが「寿ノ湯」だ。閉店した別の温浴施設を大きく改修し、温泉浴場、ライブラリー、レストラン、トレーニングジムを備える複合施設として誕生した。
温泉大浴場では肌を滑らかにするナトリウム・カルシウム―塩化物泉を注ぐ浴槽や、人工炭酸泉を使った露天風呂など、7種の湯船とサウナを楽しめる。
圧巻は別料金で利用できるライブラリー。かつての浴槽跡を中心に、天井近くまである書架がぐるりと壁を覆い尽くす様子は、書店や図書館のよう。約1万冊の蔵書のセレクトは、東京の「文喫 六本木」が担当しており、一部を除いて購入することもできる。
座り心地のいいソファ、デスクと電源のあるコワーキングスペース、ドーム型のグランピングテントや蜂の巣を模した壁穴の中など、思い思いに過ごせる場所が多彩に用意されている。漫画本を持ち込める岩盤浴や、本格的な料理が味わえるレストランもあり、通いたくなる仕掛けにあふれている。
寿ノ湯
TEL:079-564-4126
三田市富士が丘5-2
温泉&サウナ10時〜22時・850円、岩盤浴&ライブラリー10時〜21時30分・850円(土・日曜、祝日はいずれも100円増し)、レストラン11時30分〜21時(ドリンクは11時〜22時)/第3水曜休
※現在、燃料費としてそれぞれ別途100円増し(終了期間未定)
神戸電鉄公園都市線フラワータウン駅から徒歩13分/中国道神戸三田ICから約4キロ
文/春日明子
※掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2023年3月号)
(Web掲載:2023年3月31日)