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【新・日本の絶景】東日本最大級の生息地で、はかない灯りに癒やされる 折爪岳のヒメボタル

場所
> 二戸市、軽米町、九戸村
【新・日本の絶景】東日本最大級の生息地で、はかない灯りに癒やされる 折爪岳のヒメボタル

2023年フォトコンテスト グランプリ作品「梅雨霧の中、あなたに出逢うために」喜納典也さん

瞬きながら飛び交う100万匹ものホタル

岩手県北部、北上山地の北端に位置する折爪岳は標高852メートル。山頂付近にはブナやミズナラなど広葉樹の森が広がり、この森に7月上旬から中旬にかけて発生するのがヒメボタルだ。海から冷たい「やませ」が吹き込み、森に豊富な水分と湿度がもたらされ、広葉樹の落葉層や海底が隆起した土壌に幼虫の餌となる陸貝が多いため、折爪岳は東日本最大級の生息地となった。

19時半から21時頃までオスが活発に飛翔し、1秒に1回明るく点滅する。メスは飛ばず2〜3秒に1回、暗い発光をする。強い光が当たると発光をやめるため、懐中電灯やスマホの強い光は厳禁だ。100万匹ものホタルが瞬きながら飛び交う光景は、地上近くに星々が降りてきたかのよう。ピーク時には発光のリズムをシンクロさせる「ウェーブ現象」も見え、実に幻想的だ。

観賞期間中は交通規制が行われ、予約が必要。「草を刈りすぎないなどヒメボタルの保護とともに、観賞ルートの整備やガイドによる案内など観賞者に配慮した環境作りに努めています」と折爪岳振興協議会のスタッフ。地元の人々の努力あっての命をつなぐきらめきを堪能したい。

文/堀内志保


折爪岳のヒメボタル
ベストシーズン 7月上旬〜中旬

営業:19時30分〜21時(要予約)/無休
料金:車1台につき協力金1000円(観賞期間のみ)
交通:八戸道九戸ICから9キロ
TEL:0195-43-3213(折爪岳振興協議会)

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※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年1月号)
(Web掲載:2026年2月7日)


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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