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【本をめぐる旅】本の博物館 角川武蔵野ミュージアム

場所
> 所沢市
【本をめぐる旅】本の博物館 角川武蔵野ミュージアム

360度本に囲まれた「本棚劇場」。ここの本も手に取って読める。20分おきに行われるプロジェクションマッピングも見もの

 

知的好奇心を刺激するワンダーランド

角川武蔵野ミュージアム4階の「ブックストリート」。約2万5000冊が並び、本は自由に手に取って読める

KADOKAWAと所沢市がタッグを組み、日本のポップカルチャーの発信拠点として2020年11月に誕生した「ところざわサクラタウン」。その中核をなすのが「角川武蔵野ミュージアム」だ。1階〜5階に美術館や博物館、図書館、ショップ、カフェ、レストランなどが入る。

「美術、図書、博物がジャンルを超えて楽しめるのが特徴です。美術を見に来たら文学にも魅(ひ)かれたなど、来館をきっかけに興味の幅を広げていただけたら嬉(うれ)しいです」と話すのは、スタッフの熊谷周三さん。

ミュージアムは見どころが満載だ。建物もその一つで、デザイン監修は隈研吾(くまけんご)さん。巨大な岩をモチーフにした61面体の複雑な外観は、見る角度によって光の反射も異なり、様々な表情を見せる。

「マンガ・ラノベ図書館」のライトノベル配架数は日本最大級の規模を誇る
これは何?とワクワクする珍奇品が並ぶ荒俣ワンダー秘宝館

同館のシンボルが、4階の「本棚劇場」。一歩足を踏み入れると、思わず「お~っ」という声が漏れた。高さ約8メートルの本棚には、角川書店創業者の角川源義(げんよし)をはじめ文芸評論家の山本健吉らの蔵書、KADOKAWAの最新作がびっしりと並ぶ。その数、約2万冊にも及び、360度本に囲まれた空間は壮観だ。

同じ階の「ブックストリート」も見逃せない。約2万5000冊の本が松岡正剛(せいごう)館長の監修で、「日本の正体」「個性で勝負する」など独自の分類で配架。本から本へ視線が移りやすいように違い棚を用いたり、平積みにしたりと陳列にも趣向を凝らす。すぐ隣にジャンルを超えた関連本があり、自然と手が伸びる。ネットサーフィンならぬ、ブックサーフィンは時間を忘れて夢中になる。

作家の荒俣宏さん監修の「荒俣ワンダー秘宝館」も必見。中世のヨーロッパで珍奇品を展示した〝驚異の部屋〟の現代版で、人魚のミイラなど不思議な展示品が見もの。驚きと発見が詰まったワンダーランドは知的好奇心を刺激してくれる。

文/木村理恵子 写真/依田佳子 

埼玉県産の食材や調味料を使った料理が好評の「SACULA DINER」
「SACULA DINER」の「倭国三元豚武蔵肩ロースのロースト 地元玉葱の自家製シャリアピンソース」2200円
2階「KadoCafe」の、サツマイモのペーストで飾ったおいモンブラン 600円とロゴをあしらったオリジナルラテアート600円
2階のショップには、ポストカードやカードホルダーにもなる豆本、手ぬぐいなどのグッズがそろう

角川武蔵野ミュージアム

TEL:0570-017-396
所沢市東所沢和田3-31-3
武蔵野線東所沢駅から徒歩10分/関越道所沢ICから約5キロ

10時~17時30分(金・土曜は~20時30分)、KadoCafe10時~17時30分(金・土曜は~20時30分)、SACULA DINER 11時30分~20時 ※予約なしの場合の入店は~18時/第1・3・5火曜休(祝日の場合は翌日休)

オンラインチケット:スタンダード1200円※当日券はプラス200円

※掲載時のデータです。

 

(出典:「旅行読売」2023年3月号)

(Web掲載:2023年3月31日)

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Writer

木村理恵子 さん

旅と料理がメインの編集プロダクションに在籍した後、フリーに。お酒とスイーツ、ひかりもの(魚ではない)が好きで、最近は出身地の茨城愛にも目覚める。ホットヨガに絶賛ハマり中。

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