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駅舎のある風景 犬吠駅【銚子電鉄】

場所
> 銚子市
駅舎のある風景 犬吠駅【銚子電鉄】

タイルやレンガを使ったヨーロッパ風の建築

銚子(ちょうし)電鉄は銚子半島の先端部の、わずか6.4キロ、10駅を結ぶローカル線である。銚子駅のJR線ホームの先端部にある乗り場から2両編成のカラフルな車両に乗り込んだ。

列車は、しょうゆ工場や住宅地を過ぎ、樹木に覆われた緑のトンネルを抜け、台地に広がる畑作地帯をゆっくりと進んでいく。君ヶ浜駅近くで、車窓にヒマワリ畑が見えてほどなく、目指す犬吠(いぬぼう)駅に到着した。

駅舎は犬吠埼(いぬぼうさき)と友好関係の、ユーラシア大陸最西端のロカ岬があるポルトガル風に造られ、アズレージョ(※)の駅名表示やレンガが目を引く。

駅の売店では名物のぬれ煎餅(せんべい)や厳しい経営状況を逆手に取った〝まずい棒〞などの奇抜なアイデア商品が売られ、旅の楽しみになっている。

海辺へ向かい犬吠埼灯台に上る。青い大海原の眺めと吹き渡る浜風が心地良かった。

文・写真/越 信行

 

※アズレージョ……ポルトガルなどで生産される上薬をかけて焼かれたタイル


銚子電気鉄道線は1923年全線開業。現在の犬吠駅は燈台前駅として1935年に開業。銚子駅から20分

※連載をまとめた書籍「駅舎のある風景」(定価1430円)は全国の書店、WEB書店で好評発売中です。

(出典:「旅行読売」2022年7月号)

(Web掲載:2023年6月1日)

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Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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