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【この工場がすごい】サッポロビール千葉工場

場所
> 船橋市
【この工場がすごい】サッポロビール千葉工場

パネル前で発酵・熟成工程を説明するブランドコミュニケーター

 

 

暑気払いにぴったりな「黒ラベルツアー」

梅雨が明け、暑い季節が到来。うだるような日々が続く中、夏にぴったりな、「大人」の見学コースを訪れた。サッポロビール千葉工場は、全国に6か所ある同社ビール工場の一つで、関東圏に出荷される「黒ラベル」の最大製造拠点。東京湾に臨む工場は東京ドーム4個分の面積を持ち、随所に植えられたヤシの木が南国ムードを醸し出す。

南国ムードが あふれるサッポロビール千葉工場

今回参加したのは、「サッポロ生ビール黒ラベルツアー」(ほかに、3代目南極観測船見学とセットの「SHIRASE5002&黒ラベルコラボレーションツアー」も)。看板商品「黒ラベル」を主要テーマにした見学ツアーだ。

その日の当該ツアーには、私とカメラマンを含む10人(現在の定員。コロナ禍前は定員40人)が参加。ブランドコミュニケーター(案内係)の誘導で、黒ラベルの製造の流れを追った。

麦芽を粉砕して煮込む仕込釜をガラス越しに見学

企業秘密⁉「撮影禁止」に高まる興奮

まずは、黒ラベルの歴史についての紹介から。1977年に「サッポロびん生」が発売され、いつしかラベルの色調から「黒ラベル」の愛称で呼ばれるようになったこと、そして1989年にこの愛称を商品の正式ブランド名として採用したことなどが語られた。

次いで、厳選された大麦とホップを使っていることが紹介され、ホップの香りを嗅ぐ体験も。また、大麦を発芽させて麦芽をつくる製麦(せいばく)に始まり、仕込、発酵、熟成、ろ過という丹念な工程を経てビールができ上がることが、壁面のパネルなどを使って説明された。

タンクの内部を模した空間。タンクの容量は60 万リットルという
敷地内には、巨大な発酵タンクが並ぶ

ガラス越しとはいえ、いくつもの仕込釜が並ぶ様子は壮観。発酵タンクを模した空間では、直径8.8メートル、高さ16メートルもある釜の大きさを体感し、「このタンクの容量は60万リットル。500ミリリットル缶に換算して、1日1本飲むなら3287年かかります」というブランドコミュニケーターの説明には、「へー」という驚きの声が上がった。

企業秘密に関わるのだろう。1分間で1500本の缶にビールを充填(じゅうてん)する工程や缶ビールを箱詰めする工程では一切の撮影を禁じられたが、これがかえって最先端の工場を見学しているということを実感させ、興奮を誘った。

併設の千葉ビール園では、ジンギスカンや 焼き肉を楽しめる。ミックスジンギスカン (90分食べ放題+飲み放題)は1人5300円(掲載当時の価格)

黒ラベルサウンドギャラリーは、黒ラベルができる過程(原料から出荷まで)を音と映像でダイナミックに表現したコーナー。ここで、「ビールを飲みたい!」という気持ちにさせたところで、試飲コーナーへ導くという心憎い演出だ。飲めるのは380ミリ・リットルのグラスに注がれた黒ラベルを2杯。東京湾を一望しながらグラスを傾ければ、暑さを忘れ、幸福感に満たされること、間違いなしだ。

写真/坂田 隆

(出典:旅行読売2022年9月号掲載)

(WEB掲載:2022年7月30日)


【施設データ】

サッポロビール 千葉工場 ☎047・437・3591
日時:「黒ラベルツアー」は木・金・日曜の10時30分~、14時30分~(水・土曜は、さらに12時30分~を加えた計3回)/「SHIRASE5002&黒ラベルコラボレーションツアー」は木・金・日曜の10時30分~(レストラン「千葉ビール園」は不定休で、月・火曜も営業)

料金:500円(コラボツアーは1000円)=いずれも掲載当時の料金

交通:総武線津田沼駅からシャトルバス30分、または京葉線新習志野駅からシャトルバス10分/京葉道路花輪ICから4㌔ 住所:船橋市高瀬町2
【見学ツアー予約方法】

受付:希望日の14日前から電話かインターネットで予約(インターネットでの申し込みは3日前まで) 
人数:1人~10人(20歳未満のみは不可)


Writer

松本浩行 さん

月刊「旅行読売」の元編集長。在任期間は、2020年3月号から2022年9月号まで。

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