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【私の初めてのひとり旅】村井美樹さん 千葉、東京、ニューヨーク(1)

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【私の初めてのひとり旅】村井美樹さん 千葉、東京、ニューヨーク(1)

むらい・みき(女優・タレント)

2002年、ミス早稲田でグランプリを受賞し、NHKドラマで女優デビュー。クイズ番組や歴史番組など高学歴知性派タレントとしても活躍。テレビ東京の水バラ「ローカル路線バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」では、鉄道チームリーダーで「鬼軍曹」として人気。

 

ひとり旅だからこその、いつもと違う心の動きが、私を成長させてくれる

初めてのひとり旅といえば、小学4年生の夏休みですね。大阪から千葉に住む祖父母宅へ。母が新大阪駅まで付き添ってくれたんですが、新幹線に乗った途端、ドバーッと涙があふれてきちゃって。それを見て母ももらい泣きしてました。

隣の席のおじさんが「お嬢ちゃんひとりなの?」と冷凍みかんをスッと差し出してくれました。見知らぬ人に食べ物をもらうなんてご法度でしたが、その時ばかりはいただいたんです。ひんやりしてほんのり甘いみかんは大人の味がしました。いつもは家族旅行で食べていた冷凍みかんをひとりで食べているぞって。ちょっと成長した気分でした。

鉄道旅が好きな村井さんの初めての鉄道をテーマにしたひとり旅は都電荒川線だった。学生時代に1日乗車券を使って旅していたという(写真/齋藤雄輝)

自分で宿をとって行った初めてのひとり旅は高校3年の秋、行き先は東京です。高校では演劇部で演劇三昧の日々。当時は小劇場ブーム真っ盛りで、下北沢や新宿にある小劇場のお芝居をテレビで見て憧れていました。演劇が盛んな早稲田大学への進学も考え始めていた頃です。

そんな時、三谷幸喜さんの「笑の大学」が東京でテレビ放送されると知り、上京するなら今だ!と宿探し。値段だけで決めた宿は、薄暗い雰囲気のしょぼくれたビジネスホテルでした。タバコ臭い小さな部屋でひとりで見た、「笑の大学」は忘れられません。

翌日、早稲田大学へも行ってみました。学生のふりしてキャンパス内へ。イチョウ並木がきれいだったなぁ。ここで勉強や演劇ができたらと想像すると、何もかもまぶしかった。「絶対受かるぞ!東京で演劇やるぞ!」と心に決めました。

 

【私の初めてのひとり旅】村井美樹さん 千葉、東京、ニューヨーク(2)へ続く

聞き手/中 文子

(出典:「旅行読売」2023年8月号)

(Web掲載:2023年10月6日)

~読売旅行のひとり旅~はこちら


Writer

中 文子 さん

神戸生まれの大阪育ち。学生時代に旅に目覚め、アジア(おもに中国)や国内各地を探訪。旅を仕事にできたら面白そうだ!と旅行読売出版社に入社。広告課、編集部、メディアプロモーション部(広告)を経て、22年4月からメディア編集部所属。現在は、小1の壁と向き合いながら時短勤務中。温泉とお酒、楽器演奏が大好き。

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