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SLと芝桜が迎える陽春の秩父路

場所
SLと芝桜が迎える陽春の秩父路

武甲山を背景に広がる芝桜の丘

秩父でSL運行スタート

2024年3月20日から、秩父鉄道で「SLパレオエクスプレス」の運行が始まった。旧国鉄12系客車4両をけん引する「C58363」号機は1944(昭和19)年に製造された蒸気機関車で、2024年2月19日に80歳(傘寿)を迎えた。いまだ現役で元気な姿を見せるSLに乗り、春の訪れを告げる芝桜も観賞して、のんびり秩父路を楽しんではいかが?

白煙を上げて力強く走るSLパレオエクスプレス
白煙を上げて力強く走るSLパレオエクスプレス

40万株以上の芝桜

芝桜の舞台は、秩父のシンボルである標高1304㍍の武甲山の麓に広がる羊山公園。園内に芝桜の丘があり、植栽面積は約1万7600平方㍍を誇る。「紅音(あかね)」「スカーレットフレーム」など10種・40万株以上が咲き、白、赤、ピンク色など彩り豊か。模様を描くように丘陵一面を染め、花畑の中に散策路が巡る。

開花は4月中旬~5月上旬。例年、日中は混雑するので、ゆったり写真撮影も楽しむなら午前早めに訪れるのがおすすめだ。

芝桜の丘の開園は4月12日~5月6日(8時~17時、一般300円)
芝桜の丘の開園は4月12日~5月6日(8時~17時、一般300円)

郷愁誘うSL車内

芝桜観賞の後は、秩父鉄道御花畑駅からSLパレオエクスプレスに乗ろう。車内にはワインレッド色の4人掛けボックスシートが並び、壁や細部は木目や茶系で統一され昭和レトロな雰囲気が漂う。車内放送では、秩父出身の落語家・林家たい平師匠が沿線の魅力を紹介してくれる。車内販売も楽しみで、SLグッズや特産品、アルコール類など多彩。

ボックスシートが並ぶSL車内
ボックスシートが並ぶSL車内

里山風景を眺めながら

御花畑駅から南下して、三峯神社への玄関口でもある終点・三峰口駅へ向かう。沿線には山稜や田畑などの里山風景が広がり、SLならではの揺れや走行音が心地良い。席は一番後ろの車両の窓側がおすすめで、カーブを走行するたびに蒸気機関車の姿が良く見える。白煙を上げて走る姿は勇壮で、その匂いに郷愁を感じる人もいるだろう。

圧力計や注水器などSLならではの計器が並ぶ機関室
圧力計や注水器などSLならではの計器が並ぶ機関室
火室へ石炭を投げ入れたり、ボイラーへ水を送ったり作業は忙しい
火室へ石炭を投げ入れたり、ボイラーへ水を送ったり作業は忙しい

転車台も楽しみポイント

三峰口駅に着いたら、隣接するSL転車台公園も訪ねたい。SLが再び熊谷駅方面へ向かうため、転車台で方向転換する様子を見学できる。灰を捨て石炭を準備する様子や、水を補給する給水作業なども興味深い。若い世代には、見るものすべてが新鮮に映ることであろう。

2020年にオープンしたSL転車台公園
2020年にオープンしたSL転車台公園
モデルプラン一例
モデルプラン一例

<問い合わせ>

秩父鉄道旅客案内係:TEL048・580・6363

秩父鉄道ホームページはこちら          

<SL運行情報>

期間:2024年3月20日~11月17日の土・日曜、祝日を中心

区間:熊谷-三峰口駅間(1日1往復、全席指定席)

乗車:乗車区間分の普通乗車券+SL指定席券

SL指定席券:大人・小児同額1000円(事前購入)、1100円(駅窓口)

事前購入:公式ホームページ内「秩父鉄道SL予約システム」から購入

運転時刻
運転時刻

秩父鉄道SL予約システムはこちら       

(WEB掲載:2024年3月26日)

Writer

松田秀雄 さん

全国を取材で巡ること約30年。得意なテーマは「温泉」で、北海道・稚内温泉から沖縄・西表島温泉まで500湯・2000軒以上は訪れている。特に泉質は硫黄泉が好きで、湯上りに体を拭かず自然乾燥させるのがモットー。帰宅後、体に付着した硫黄成分が湯船に染み出して白濁する様子を見るのが好き。最近は飲泉への興味が強く、「焼酎割に適した温泉は?」を掲げて最高の一杯を探し中。旅行読売出版社・編集部に所属。

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