【中井精也のゆる鉄写真館】東武鬼怒川線
凍てつく森を行く「ポーラー・エクスプレス」
クリスマスの夜。
青い森を駆け抜けてきたのは、
東武鉄道の観光列車「SL大樹(たいじゅ)」号。
その煙が青く染まるのは、
乗客の目を楽しませようと
沿線の人たちが管理運営している
手作りのイルミネーションの光によるものです。
凍てつく森をSLが駆け抜けるその光景はまるで、
映画「ポーラー・エクスプレス」のワンシーンのよう。
たくさんの人の想(おも)いを乗せた汽車は、
笑顔が待つ暖かな家へ急ぎます。
文・写真/中井精也
1967年、東京生まれ。鉄道写真家。独自の視点で鉄道を撮影し、『ゆる鉄』など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。甘党。著書・写真集に「1日1鉄!」(インプレス)など。2015年講談社出版文化賞・写真賞受賞。
(出典:「旅行読売」2023年12月号)
(Web掲載:2024年7月20日)