養老渓谷で黒湯と妙味を堪能②
大迫力を間近で体感できる粟又の滝
養老渓谷で滝めぐり
房総随一の景勝地として人気の養老渓谷。四季を通じて渓谷ハイクは人気で、渓谷沿いに点在する温泉宿に泊まって、のんびりと大自然の息吹を体感できる。
養老渓谷温泉にある旅館「喜代元」でのんびり1泊した翌日は、養老渓谷を散策してみよう。養老渓谷は、上流部の大多喜町粟又地区から市原市朝生原地区に広がる養老川沿い、また大福山や梅ヶ瀬渓谷を含めた総称だ。中瀬遊歩道、面白峡遊歩道、滝めぐり遊歩道と、どこも舗装された平坦な道が整っていて歩きやすい。1時間~3時間ほどの渓谷ハイキングを楽しめる。大雨の被害で通行止めになっているところがあり、訪れる前に町のホームページや観光協会などで通行状況を確認してほしい。
渓谷で一番の見どころは、最奥にある粟又の滝だ。落差約30㍍の名瀑で、水量の多い時は横幅が広がり迫力が増す。緑一色に包まれるグリーンシーズンは爽やかで、モミジに彩られる秋はまぶしいほど鮮やかだ。
頼朝ゆかりの開かれた寺へ
中瀬遊歩道入り口そばにある観音橋を渡ると、源頼朝ゆかりの名刹・立國寺もある。頼朝がここ上総の地で観音像に先勝祈願し、再び関東へ攻め込み武家政権の祖となったとされる言い伝えがある。これに由来し、立國寺では観音像を安置した。今日では、“出世観音”として広く知られるようになった。住職に「観音像を見せてほしい」と希望すれば、一般参拝客でも見せてもらえる。
地元食材にこだわる季節料理
温泉場に食事処やカフェは10数軒あり、和食、そば、中華、フランス料理などバラエティーに富む。
メイン通り沿いにある和食処「清恵」は、養老渓谷の食材を生かした季節料理が評判の店だ。季節限定の料理も充実し、9月下旬までは鮎甘露煮、生ゆば、ゆば天ぷらなどを味わえる清流御膳(2420円)がおすすめ。ゆば天丼膳(1760円)は通年メニューで、ミニゆば天丼、生ゆば刺し、半うどんなどを味わえる。
清恵で扱うゆばは、大多喜町にある生ゆばと豆腐の専門店「ゆば喜」の逸品。国産大豆と軟水にこだわり、一枚一枚手づくりしている。
地元の特産品が充実
養老渓谷が広がる市原市、大多喜町には特産品が数多く、メイン通り沿いにある山の駅養老渓谷「喜楽里」で手軽に買い物を楽しめる。スイーツや地酒、銘菓などのほか、ジビエ肉や地野菜も充実している。
中でもスタッフのおすすめが、大多喜町でイチゴ農園を営む髙梨農園の黒いちごジャム(750円)や、地元の養蜂園「HACHIGUMI」の百花蜜(1188円)など。江戸天明年間創業の豊乃鶴酒造の純米吟醸酒「大多喜城」(300㍉・㍑、670円)や、ハチミツを使ったクラフトビール「HACHIMITU」(680円)、大多喜町産の新米コシヒカリ(5㌔、3000円)なども人気があるという。あれもこれも、養老渓谷での温泉旅の思い出にぴったりの品々である。
データ
立國寺/8時~17時、不定休。電話0436-96-0097
詳しくは、こちら
清恵/11時~14時30分L.O.、月曜休(祝日の場合は営業)。電話0470-85-0820
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山の駅養老渓谷「喜楽里」/10時~17時(10月~3月は~16時)、年末年始休。電話0470-85-0005
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養老渓谷へのアクセス
車:圏央道市原鶴舞ICから25㌔(最短距離ルートの途中一部が通行止めのため、大多喜町内経由のう回路)
鉄道:小湊鐵道養老渓谷駅からバス3分(温泉郷入口バス停)~15分(粟又ノ滝バス停)
観光の問い合わせ
大多喜町観光協会 電話0470-80-1146
市原市観光・国際交流課 電話0436-23-9755
千葉県観光物産協会 電話043-225-9170
(WEB掲載:2024年9月17日)