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【お得きっぷで鉄旅へ】西も東も鉄路で攻略! 青春18きっぷを使って日帰りで挑む、連続3日間

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> 長浜市、大和郡山市、静岡市、木曽町ほか
【お得きっぷで鉄旅へ】西も東も鉄路で攻略! 青春18きっぷを使って日帰りで挑む、連続3日間

関西線の加茂-亀山駅間は、木津川や加太川沿いを行く非電化区間。トンネルや橋りょうなど鉄道遺産も魅力だ

来年の大河ドラマで注目の「秀吉・秀長探訪」が初日のテーマ

名古屋発◉日帰り×3日 8240円お得!

1日目:長浜-郡山 ~東海道線、関西線ほか~ ◉滋賀・奈良
2日目:由比 ~東海道線~ ◉静岡
3日目:木曽福島 -多治見 ~中央線~ ◉長野・岐阜

尾張(おわり)国の中心部に位置する名古屋駅を発車して約50分。関ヶ原駅を過ぎると、迫力ある伊吹山が車窓に見えた。この先はいよいよ湖国・近江(おうみ)だ。来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に備え、〝秀吉・秀長探訪〟を初日のテーマに決めている。

米原駅で乗り換え、長浜駅で下車。すぐ近くに「秀吉の出世城」と言われる長浜城が復元されている。秀吉が初めて築いた居城だ。天守閣から琵琶湖を眺め、戦国武将の野望に思いをはせること、しばし。

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長浜城の復興天守は長浜城歴史博物館になっている。「秀吉と長浜」をテーマにした展示も楽しめる。9時〜16時30分/月曜(祝日の場合は翌日)休/500円/北陸線長浜駅から徒歩7分/長浜市公園町10-10/TEL:0749-63-4611

長浜は北国(ほっこく)街道の宿場町として栄えた地だ。伝統的建造物群を生かした観光スポット「黒壁スクエア」には、江戸後期や明治時代の残り香が漂っている。昼食は長浜名物の「焼鯖そうめん」。焼いて煮込んだサバを、煮汁がしみたそうめんにのせた郷土料理だ。ダシの利いた濃いめの味に、ふと郷愁を誘われた。

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黒漆喰の建物が印象的な「黒壁スクエア」。レトロモダンを満喫できるカフェやショップなどが並ぶ

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翼果楼(よかろう)
長浜一帯の郷土料理「焼鯖そうめん」の専門店。単品は1100円、焼鯖寿司3貫などが付く「鯖街道」は2000円。築約200年の商家をリノベーションした店内は座敷席で、ゆったりくつろげる。
■10時30分〜15時(売り切れ次第終了)/月曜(祝日の場合は翌日)休/北陸線長浜駅から徒歩5分/滋賀県長浜市元浜町7-8/TEL:0749-63-3663


午後は京都駅経由で郡山駅に向かう。宇治駅近くを走る時、優美な宇治橋を望めたのは収穫だった。

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車窓に現れた宇治橋は『源氏物語』にも登場する日本三古橋の一つだ。秀吉もここから茶の湯の水をくませたとか

大和郡山市は奈良盆地北部にあり、秀吉の弟・秀長が城主を務めた郡山城が見どころだ。郡山駅の東口、観光協会でレンタサイクルを借りて約5分で到着。復元された門や櫓(やぐら)を見上げ、天守台に上ると若草山や三輪山まで遠望できて爽快な気分だ。

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郡山城跡
1580(天正8)年、筒井順慶(じゅんけい)による築城を起源とし、その5年後、豊臣政権の畿内統治の拠点として豊臣秀長が入城。大拡張工事を行って本格的な近世城郭づくりを進めた。
■見学自由/関西線郡山駅から徒歩20分/奈良県大和郡山市城内町/TEL:0743-53-1151(大和郡山市役所)

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戦国時代の石垣が、百万石の威光をしのばせる郡山城跡。天守台からは城下町と奈良盆地をぐるりと見渡せる

紺屋町、豆腐町などレトロな町名が残る城下町も味わい深い。火の見櫓や町家が点在し、しっとりした佇(たたず)まいだ。町の基礎を築いた城主を、市民は今も「秀長さん」と呼んでいるとか。天下人の兄を支えた秀長の生涯に、がぜん興味が湧いてきた。

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風情ある郡山の城下町をのんびり巡る。藍(あい)染め職人の町だった紺屋町には、今も道の中央に水路が流れていた

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郡山名物といえば御城之口餅(おしろのくちもち)。秀吉も気に入ったという「本家菊屋」のきなこ餅。箱入り6個800円〜(店内ではお茶付き500円)。9時〜18時30分/元日休/関西線郡山駅から徒歩12分/大和郡山市柳1-11/TEL:0743-52-0035

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日帰り旅2日目は静岡県、3日目は長野県を目指す

名古屋発着の日帰り旅、2日目のコースは静岡県だ。遠州灘に沿って東に向かい、由比(ゆい)駅で下車する。薩埵(さった)峠展望台から望む駿河湾と富士山の絶景は、歌川広重が描いた浮世絵「東海道五十三次」さながら。海の宝石と讃(たた)えられる、サクラエビもはずせない。日本では駿河湾でのみ水揚げされる希少なグルメで、わざわざ食べに行く価値がある。

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浮世絵にも描かれた薩埵峠から望む駿河湾と富士山(写真/静岡県観光協会)

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由比港漁協直営店「浜のかきあげや」の「生桜えび丼」1000円。10時〜14時/月〜木曜休(祝日は営業)/東海道線由比駅から徒歩10分/静岡市清水区由比今宿浜1127/TEL:054-376-0001

3日目は器をテーマに、長野県の木曽福島を目指す。涼やかな木曽川や中山道の宿場町など、素朴な昔町の情緒に浸りたい。繊細な木目の木曽漆器を堪能したら、焼き物を求めて岐阜県の多治見へ。「本町オリベストリート」で陶器商人の歴史を思いながら町を歩き、美濃焼を愛(め)でる。最後は名物のうなぎをお土産に。

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木曽の木材を使い、漆で仕上げた汁椀7700円など趣ある雑貨が並ぶセレクトショップ「en-shouten」。10時〜18時/火〜木曜休/中央線木曽福島駅から徒歩10分/長野県木曽町福島8101/TEL:0264-24-0875

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かつての陶器問屋街を生かした町歩きスポット「本町オリベストリート」。レトロな建物のカフェやギャラリーが並び、多彩な陶器も楽しめる。中央線多治見駅から徒歩10分/岐阜県多治見市本町/TEL: 0572-21-2765

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美濃焼(イメージ)

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中山道の古民家カフェ「茶房松島」で休憩。写真は開田高原のそば粉を使った「ガレット・コンプレット」1350円。10時〜16時/火・水曜休/中央線木曽福島駅から徒歩10分/木曽町福島5250-1/TEL:0264-24-0262

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文/北浦雅子 写真/宮川 透ほか

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年7月号)
(Web掲載:2025年8月20日)


Writer

北浦雅子 さん

和歌山の海辺生まれで、漁師の孫。海人族の血を引くためか旅好き。広告コピーやインタビューなど何でもやってきた野良ライターだが、「旅しか書かない」と開き直って旅行ライターを名乗る。紀伊半島の端っこ、業界の隅っこにひっそり生息しつつ、デザイナーと2人で出版レーベル「道音舎」を運営している。https://pub.michi-oto.com/

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