【旅と駅弁・駅麺】牛肉駅弁激戦区 東北を行く
牛肉どまん中、歯応えの異なる2種の牛肉が味わえるのも魅力だ(写真/齋藤雄輝)
東北の牛肉駅弁を食べ歩く旅
日本の食肉文化を語る時、「西は牛、東は豚」という通説があるが、東北地方では牛肉もよく食べられ、牛肉を使った駅弁も多い。その代表格が山形県米沢市の新杵屋(しんきねや)が作る「牛肉どまん中」だ。催事も含めて年間60万食を売り上げたこともある大ヒット作。そんな「牛肉どまん中」を手始めに、東北の牛肉駅弁を食べ歩く旅も楽しい。
山形新幹線米沢駅ホームに降り立つと、米沢牛のモニュメントが目に入ってくる。山形県は東北でも牛肉の消費量がずば抜けており、米沢市などの内陸部では芋煮にも牛肉(庄内地方などは豚肉)を使うという。そんな食肉文化から生まれたのが、1992年の山形新幹線開業に合わせて開発された「牛肉どまん中」だ。

米沢駅ホームにある、黒光りした米沢牛のモニュメント
ご飯の上に敷き詰められた国産牛そぼろと牛肉煮は、余分な脂を落とし、秘伝のタレで味付けしているから、最後まで飽きずに味わえる。しかしなぜ「どまん中」?その答えは、山形県産米の「どまんなか」を使っているから。粘り気が少ない「どまんなか」には特製のタレがよく絡み、肉とタレの甘みに箸が止まらない。冷めてもおいしいという駅弁の絶対条件も満たしている。コロナ禍や車内販売の休止などの困難にも、塩味やカレー味を開発するなどして奮闘する。
牛肉どまん中 ◉1620円
秘伝のタレで煮込んだ牛そぼろと牛肉煮がご飯を覆い尽くす。塩ダレの牛肉煮の「牛肉どまん中 しお」、2022年に再登場した「牛肉どまん中 カレー」もある。山形新幹線赤湯駅、東北新幹線福島駅、仙台駅でも販売。


牛そぼろはしょうゆ味、牛肉煮は塩味の「牛肉どまん中 しお」(1620円)

コロナ禍で休止していたが、2022年に再登場した「牛肉どまん中 カレー」(1620円)
東北にはほかにも秋田駅の「特製牛めし」、新青森駅の「青森県産黒毛和牛 牛めし」など牛肉をふんだんに使った駅弁は目白押しだ。それぞれの歴史とエピソードを探る旅に出かけてみよう。
新杵屋
米沢駅(山形新幹線ほか)
TEL:0238-22-1311
大正期に菓子店として創業。1947年に米沢駅で昭和天皇にアイスクリームを献上したことが縁で構内販売を始めた。「牛肉どまん中」の前身と言える「元祖 牛肉弁当」(1300円)は、57年に開発され今も販売されている。

米沢駅西口にある新杵屋本社工場直売所。米沢駅で立ち食いそば店も経営している
特製 牛めし ◉1280円
秋田駅で最も古くから販売されている名物駅弁。牛肉は秘伝のタレで2度煮込むことにより、脂が落ちてジューシーに仕上がっている。煮汁がしみ込んだ糸コンニャクも美味。ご飯は「あきたこまち」を使用。
秋田駅(秋田新幹線ほか)
関根屋 TEL:018-833-6461

シンプルで飽きのこない駅弁だからこそ、長い間愛されてきた
青森県産黒毛和牛 牛めし ◉1400円
青森の特産品の味を知ってほしいと、県産の黒毛和牛とタマネギを特製ダレで炒めてご飯にのせた。脂を落とした牛肉の赤身は健康志向にマッチ。タマネギの甘みも相まって食がすすむ。東北新幹線の八戸駅、盛岡駅でも販売している。
新青森駅(東北新幹線ほか)
幸福の寿し本舗 TEL:017-788-2234


文/渡辺貴由
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2025年12月号)
(Web掲載:2026年1月7日)


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