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【旅と駅弁・駅麺】ドラマチックな北の駅そばを巡る

場所
> 旭川市、中川郡音威子府村
【旅と駅弁・駅麺】ドラマチックな北の駅そばを巡る

駅待合室内にある駅そば音威子府の店舗。「音威子府そば」の藍色ののれんも復活している

閉店から復活。廃業から営業再開。個性豊かな駅そば店


幌加内町産そばをぜいたくに使用

旭川駅立売商会[ 旭川駅 ]

6.旭川外観.jpg
北口コンコースにある店舗。駅弁販売と折半するように駅そばコーナーがある

旭川駅の改札を出て北口方面へ向かうと、コンコース内の駅弁屋からつゆの香りが漂う。そのわずかなスペースに、立ち食いそばコーナーを発見した。幌加内(ほろかない)町産そばを使用する唯一の駅そば店、旭川駅立売商会だ。

そばの作付面積と収穫量ともに日本一を誇る幌加内町産のそばは、豊かな風味とコシの強さでそば通の間でも有名だ。

早速、にしんそばを注文した。店の前のコンコースには大型テーブルとイスが設置され、着席して食べることもできる。店員さんができ上がったそばを持ってきてくれるのもうれしい。ひとすすりすると、黒みがかったそばは香り高く、「これが幌加内そばか」と感激する味わいだ。

5.新にしんそば.jpg
北海道らしい大きな半身の身欠きニシンがのる人気のにしんそば

イカ・旭川・差し替えいかめし.jpg
駅弁用いかめしのアウトレット品、訳ありいかめし(500円)も美味

旭川品書き.jpg

旭川駅立売商会

店舗:函館線ほか旭川駅改札外
営業:8時~17時30分/無休
問い合わせ:TEL0166-31-1515


音威子府駅そばの伝統を引き継ぎ復活

駅そば音威子府[ 音威子府駅 ]

10.音威子府店舗行列.jpg
3日間で村の人口並の600人が来店することも

かつて多くの愛好家から「日本一の駅そば」として親しまれた宗谷線音威子府駅の常盤軒。しかし、店主の西野守さんが死去したため、2021年に閉店。翌年には、特徴だった黒いそばを製造していた畠山製麺も閉業し、音威子府駅の駅そばの歴史は途絶えた。

25年7月、駅前でゲストハウスを運営する竹本修さんが村の制度を活用し、常盤軒の空き店舗で駅そば店の営業を再開。3か月間、週末限定にもかかわらず、多くの駅そばファンが押し寄せた。

黒いそばは、畠山製麺の元社長や東京、千葉の食堂店主らと共同開発した「新・音威子府そば」を使用。つゆは、常盤軒でも使われていたたれと、利尻昆布で取った濃厚なだしを合わせた自信作だという。天ぷらにもこだわり、一番人気の「天ぷらレジェンド」に使われる、中央に小エビがのった揚げ天ぷらは、常盤軒と同じような出来栄えだ。

懐かしの味は大好評で、営業期間内に7500杯を売り上げ、3か月間の延長営業が決定。竹本さんは、将来的には通年営業を視野に入れ、奮闘している。

8.音威子府てんぷら.jpg
かつての常盤軒への思いを込めた人気メニュー、天ぷらレジェンド。味もその名に違わぬものだ

11.音威子府昆布だし.jpg
だしには漁師直送の利尻昆布をたっぷり使用

音威子府 品書き.jpg

駅そば音威子府

店舗:宗谷線音威子府駅改札外
営業:11時~15時、 12月15日までの土〜月曜
問い合わせ:TEL01656-8-7565(ゲストハウス イケレ音威子府)

文・写真/伊藤岳志


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年12月号)
(Web掲載:2026年1月8日)


Writer

伊藤岳志 さん

1969年、神奈川県生まれ。鉄道、車、バスなどさまざまな乗り物の撮影を手がける。著書に「さらば栄光のブルートレイン」(洋泉社)など

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