高知の「おきゃく文化」とグルメな木曜市ツアーを楽しむ
OMO7高知 by 星野リゾート
2024年6月にグランドオープンした「OMO7高知 by 星野リゾート」は、高知駅から車で5分ほどの堀川沿いにある。地上22階建てで客室は全133室。高層階からは「坂本龍馬が泳いだ川」として知られる鏡川をはじめ、市街が見下ろせ、夜景も朝日も楽しめる。ホテルから徒歩約4分には、路面電車の菜園場(さえんば)町駅がある。はりまや橋や高知城、街路市といった観光に便利だ。
OMOベースと呼ばれる吹き抜けのパブリックスペースには、カフェ&バル、トラベルライブラリーのほか、二階へと続く幅7メートルもの大階段(だいかいだん)がある。館内は杉や檜をふんだんに使っていて、あたたかみがある。高知県は県土80%以上を森林が占め、全国で最も森林率が高いそうだ。
高知のお客文化を楽しむ
大階段は夜、「よさこい楽宴LIVE」というショーの客席になる。スタッフによる演舞が毎晩披露され、振付、楽曲、衣装を含むすべての演出がOMO7高知だけのオリジナル。フラフ(祝い旗)がはためく、迫力あるパフォーマンスも必見だ。途中では踊りのレクチャーがあり、観客も一体となって盛り上がる。
「よさこいとは、土佐弁で『今晩おいでなさい、来てください』という意味。夜さ来い・夜更来・宵更来などと表記します」とは、スタッフの浜田直美さん。浜田さんはじめ、スタッフの半数が地元出身で、土佐弁での明るいもてなしが心に残る。
総支配人の立川久美子さんは、「高知の人々は、みんなで集まる宴の場『おきゃく』が大好きです。相手を楽しませたいし、自分も楽しみたい。OMOでは館内はもちろん、街歩きのツアーでも、高知の街と人の魅力が“こじゃんと”(たくさん)詰まった旅体験をご用意しています」と話す。
路面電車で訪ねる木曜市ツアー
OMOは“街ナカ”ホテルをうたう新感覚の宿。全国に17拠点ある。スタッフが行うガイドツアーが名物で、地域の「おもしろい人・こと・モノ」と出合わせてくれる。
OMO7高知では2024年11月より毎週木曜に「ちっくと食べやぁ、グルメな木曜市ツアー」を実施する。〝ちっくと〟とは、土佐弁で「ちょっと」の意味だ。
ツアーは朝一番にOMOマップ前に集合し、路面電車の菜園場町駅から県庁前駅へ向かう。通勤通学の方に混じっての電車旅は、旅先の日常にお邪魔するワクワク感がある。
高知県庁の背後に聳(そび)えるのは、江戸時代の天守が残る高知城だ。城下を南に進めば木曜市会場。楠やフェニックスが茂る山内神社の参道200メートルほどに約70の露店が並ぶ。店先には果物、野菜、生花、乾物、麺類、田舎寿司、ソウルフードのいも天……。どれも新鮮で美味だ。
高知市には曜日ごとの街路市があり、火・木・金・日曜に異なる場所に露店が並ぶ。有名なのは高知城大手筋で約1キロに渡って続く日曜市。OMOでもツアーを行う。
案内するOMOレンジャーの池内里早(りさ)さんの説明によると、「街路市は江戸時代の元禄3年(1690)、土佐藩第四代藩主・山内豊昌公が、藩の政策として場所と日取りを定めて市立を認めたことがはじまり」とのこと。木曜市も歴史があり、三代目や四代目、働き者の女性「ハチキン」を支える後継者が多く、こんな会話が印象的だった。
「代々世話になる農家の仕事を見ているから、大事に品物を売りたいし、自信を持ってオススメしたい」。朝から元気をもらえる木曜市。街はもちろんホテルでも、エネルギッシュなハチキンに出会えるだろう。
住所:高知県高知市九反田9-15
交通:とさでん交通「菜園場町」駅から徒歩約4分、またはJR高知駅からタクシー約5分、高知空港から車で約30分
TEL:050-3134-8095(OMO予約センター)
■in15時・out11時/1泊5万3000円〜(1室あたり・税込・夕朝食付き)
撮影・木下清隆
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2025年1月号)
(Web掲載:2025年1月16日)